序 章 フェミニズムをどう見るか
フェミニズムはわかりにくい?
「女性である」ことは何を意味するのか
広い視点・長期的視点でフェミニズムを見る
近代社会に対する根本的問いかけとしてのフェミニズム
第1章 近代社会と女性――近代フェミニズムの問題域
1 フェミニズムの歴史の捉え方
フェミニズムは、いつ、どこで生まれた?
人間は誰もが平等、しかし男女は平等ではない?
2 近代は女性を解放したか
前近代ヨーロッパとジェンダー秩序
啓蒙思想のインパクト
ジェンダー視点の欠落した歴史観
3 啓蒙主義とフェミニズムの誕生
声をあげた女性たち
リベラリズムとフェミニズム
女性の権利はいかに否定されたか
公私二元論
「科学」が果たした役割
フェミニズムは男性憎悪?
第2章 市民革命と女性
1 一九世紀前半の西欧社会とフェミニズム
沈静化
フランスとドイツの一九世紀
社会変動に注目する
2 市民権と徴兵制
「我々の危機」に動員される
軍隊への参加による序列化
3 軍事化された男性性
「国民の使命」
武器をとる「男らしさ」
戦わない男性は「女のようだ」
4 産業革命と性役割分担
産業革命がもたらしたもの
女性の職業参加
世話し、扶養される存在
5 一九世紀における女性の働き方
女性の「居場所」はどこ?
女性はどこで働いていた?
6 ヨーロッパの女性運動の展開へ
第3章 女性参政権――イギリスとアメリカ
1 イギリス近代社会とジェンダー
身分制が残存したイギリス
「男らしさ」の地位
2 慈善活動から女性参政権運動へ
「生まれと結婚」に左右される
慈善活動から始まる
なぜ「他者のため」なのか
踏み出した第一歩
3 サフラジェット
パンとバラを求めて
実力闘争への転換
第一次世界大戦
4 奴隷制度廃止運動から「女性の権利」へ
女性参政権運動と奴隷制度廃止運動
セネカフォールズ会議
運動の分裂
5 女性労働運動と第一次世界大戦
アメリカの労働運動
戦争協力と女性参政権の実現
第4章 社会主義とフェミニズム
産業化の波と社会主義の広がり
1 初期社会主義思想とフェミニズム
2 マルクス主義の誕生
マルクスと女性解放
エンゲルス『家族・私有財産・国家の起源』
女性参政権運動は労働者階級に敵対する?
3 ドイツの社会主義運動と女性社会主義者
4 ロシア革命と女性政策
世界初の社会主義国家
ソヴィエト連邦の男女平等政策
5 第一波フェミニズムとはなんだったのか
「公的領域」への参加
第一波を引き継ぎ、その先へ
第5章 二つの世界大戦と戦間期における女性
総力戦体制と女性
1 英米における女性参政権の成立
イギリス初の女性議員
アメリカ初の女性議員
2 女性参政権成立後の市民社会と女性
女性参政権さえ成立すれば?
むしろ補強された性役割分担
自立への道
3 第二次世界大戦と女性動員
最大規模の戦争
連合国での女性動員
同盟国での女性動員
4 第二次世界大戦の終結と戦後社会
第6章 日本のジェンダー秩序とフェミニズム
1 近世以前の日本のジェンダー秩序
高かった女性の社会的地位
平安の女性たち
中世の女性たち
2 日本近世のジェンダー秩序
「イエ」制度と大奥
『女大学』は何を説いていたのか
3 明治期から第二次世界大戦終結までのジェンダー秩序
日本の近代化と新たな緊張
ジェンダーの転換
明治政府の女性政策
日本の第一波フェミニズム
4 戦後社会と女性参政権の実現
「婦人の解放」
「上からの解放」の課題
第7章 第二波フェミニズム――第二次世界大戦後の社会
戦後のスタート
再び「家庭」の中へ
1 「アメリカ的生活様式」と「女らしさの神話」
憧れの的だった「アメリカ的生活様式」
中産階級の理想と専業主婦
社会規範と現実の齟齬
第二波を準備したもの
2 第二波フェミニズムの誕生――NOWとラディカル・フェミニズム
フリーダン『女らしさの神話』とリベラル・フェミニズム
「自由のためのゴミ箱」とラディカル・フェミニズム
第二波フェミニズム
3 第二波フェミニズムの波及――アメリカからヨーロッパや日本へ
社会主義の影響を受けたイギリス
ボーヴォワール『第二の性』
ウーマン・リブ
4 フェミニズムの諸理論
学術・出版という展開
「私的領域」における男女の支配関係
ラディカル・フェミニズム
個人的なことは政治的
マルクス主義フェミニズム
家事労働をめぐって
資本制と家父長制
ポストモダン・フェミニズム
第8章 現代社会とフェミニズム
ネオリベラリズム
バックラッシュ
1 国連におけるジェンダー平等施策の展開
2 女性の労働参加
3 「性と生殖に関する権利」をめぐって
リプロダクティブ・ヘルス
ライツ
「私的領域」での暴力に抗う
4 ネオリベラリズムとバックラッシュ
反対されたERA
フェミニズムに反対する女性たち
人工妊娠中絶をめぐって
強調される「家族の価値の尊重」
ジェンダー・フリー・バッシング
5 消費文化とポストフェミニズム
フェミニズムからの批判を恐れる女性たち
ポストフェミニズム
6 新しいフェミニズムの動き
冷戦終結後の激動の中で
第三波・第四波フェミニズム
右翼ポピュリズムの台頭
第9章 フェミニズムは近代社会で何をしてきたのか
「近代社会」からフェミニズムを見る
1 フェミニズムの歴史を振り返る
「女性は人間である」けれども「女性は人間ではない」
「公的領域」をめざした第一波
2 固定的な性役割分担とジェンダー
社会の前提となった固定的なジェンダー
「私的領域」を問う第二波へ
3 理性以外の特質は「人間的特質」ではないのか
女性は理性がない?
フェミニズムは遅れてきた近代主義?
「理性」ではない「女性の価値」?
「人間である」か「女性である」か
4 家族、性と生殖、セクシュアリティ
男性は免除された家庭内役割
公
私の思想史
支配―被支配的関係が維持されるべき場?
正義を定義しなおす
フェミニズムが「公的領域」に組み込んだ問題
5 現代社会におけるフェミニズム
政治問題化する家族・性・生殖
問題が解決しないまま
6 これからのフェミニズム
問題を放置してきた公私二元論
使い方を見直す
これまでとは別の、複雑な解決方法
分断ではなく、新しい連帯へ
参考文献
あとがき