戦争の世紀を読む

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戦争の世紀を読む
  • 発売日:2026/05/19
  • 出版社:岩波書店
  • ISBN:9784006004965

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通常価格 1,760 円(税込)
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商品説明
「あの戦争」に敗れたドイツと日本において、知識人や大衆はファシズムとどう向き合ったのか。その過ちを繰り返さないために、私たちはいま何を学ぶべきか。混迷の21世紀を生き抜くために不可欠なのは、バックミラーを覗きながら前進する「メディア史的思考」──。いま一度〈戦争の世紀〉を問い直すための、最良のブックガイド。
目次
 はじめに――公共性の試金石としての書評

Ⅰ 「ヒトラーの世紀」を読む

《国民社会主義》の運動と体制
 全体主義的国民主義か、自由主義的国民主義か
  ヨハン.G.フィヒテ『ドイツ国民に告ぐ』
 国民統合をめざす「新しい政治」の系譜学
  ジョージ.L.モッセ『大衆の国民化――ナチズムに至る政治シンボルと大衆文化』
 労働者はサンタクロースだったか
  エーリッヒ・フロム『ワイマールからヒトラーへ――第二次大戦前のドイツの労働者とホワイトカラー』
 大戦前夜、普通の人びとの実感
  フレデリック・テイラー『一九三九年――誰も望まなかった戦争』

《最終的解決》の構想と記憶
 最大級の能率問題としてのホロコースト
  ラウル・ヒルバーグ『ヨーロッパ・ユダヤ人の絶滅』
 絶滅型反ユダヤ主義の原典なのか
  アドルフ・ヒトラー『わが闘争』
 超越的シンボルとしての「ユダヤ人」
  ヴィクトール・クレムペラー『第三帝国の言語〈LTI〉――ある言語学者のノート』
 強制収容所は特殊な空間だったか
  オイゲン・コーゴン『SS国家――ドイツ強制収容所のシステム』
 囚人も看守も人間だったということ
  ヴィクトール.E.フランクル『夜と霧――ドイツ強制収容所の体験記録』
 「人間的な虐殺」を目指した穏やかなナチ・エリート
  ルドルフ・ヘス『アウシュヴィッツ収容所』
 戦闘が終わり、記憶の戦争が始まる
  プリーモ・レーヴィ『溺れるものと救われるもの』
 再生産される差別の重層性
  ハンナ・アーレント『イェルサレムのアイヒマン――悪の陳腐さについての報告』
 シオニズムと「アウシュヴィッツの噓」
  アイザック・ドイッチャー『非ユダヤ的ユダヤ人』

ナチ・イメージのポリティックス
 絶対悪イメージの賞味期限
  ズビニェク・ゼーマン『ヒトラーをやじり倒せ――第三帝国のカリカチュア』
 自己破壊に至るカリスマ支配
  イアン・カーショー『ヒトラー 権力の本質』
 大衆小説における鉤十字の氾濫
  アルヴィン.H.ローゼンフェルド『イメージのなかのヒトラー』
 アドルフならぬ「アイドル」ヒトラー
  田野大輔『魅惑する帝国――政治の美学化とナチズム』
 独裁体制が演出した「平和の祭典」
  D.C.ラージ『ベルリン・オリンピック一九三六――ナチの競技』
 図書館はホロコースト否定文献をどう扱うべきか?
  W.A.ウィーガンド編『《図書館の権利宣言》を論じる』

現代に生きるナチズム
 プロパガンディストは敵との鏡像関係を恐れない
  星乃治彦『赤いゲッベルス――ミュンツェンベルクとその時代』
 総統とメディア共犯関係
  ティムール・ヴェルメシュ『帰ってきたヒトラー』
 グローバルな異文化コミュニケーションの黒歴史
  ジェフリー・ハーフ『ナチのプロパガンダとアラブ世界』
 ヒトラーへの視線はどう変化したか
  芝健介『ヒトラー――虚像の独裁者』

Ⅱ 日本の戦争と知識人

近代化と現代化
 被害者モデルの言論弾圧史観から共犯者モデルの言論統制史観へ
  文春新書編『昭和史がわかるブックガイド』
 非常時の中にもあった民主主義
  有馬学『日本の歴史23 帝国の昭和』
 戦後民主主義におけるワイマール・トラウマ
  加藤哲郎『ワイマール期ベルリンの日本人――洋行知識人の反帝ネットワーク』
 「グローバリズム」を訳して「八紘一宇」
  井上寿一『戦前日本の「グローバリズム」』
 戦争「消費者」たちの文化実践
  ベンジャミン・ウチヤマ『日本のカーニバル戦争――総力戦下の大衆文化 1937-1945』
 総力戦体制がもたらしたシステム社会化
  山之内靖/J.ヴィクター・コシュマン/成田龍一編『総力戦と現代化』
 「解放」個人主義と「引締め」国民主義の対立が引き寄せた開戦
  益田肇『人びとの社会戦争――日本はなぜ戦争への道を歩んだのか』
 大衆参加で機能した神話国家・日本
  辻田真佐憲『「戦前」の正体――愛国と神話の日本近現代史』

戦争の語り口
 林芙美子の「戦線」と「植民地」――朝日新聞社の報国と陸軍省の報道
  林芙美子『戦線』
 戦時プロパガンダの女性像は魅力的だったか?
  若桑みどり『戦争がつくる女性像――第二次世界大戦下の日本女性動員の視覚的プロパガンダ』
 国民を動員するワンフレーズの「新しい伝統」
  筑紫磐井『標語誕生! ――大衆を動かす力』
 「桜」と「特攻」のシンボル政治学
  大貫恵美子『ねじ曲げられた桜――美意識と軍国主義』
 戦争は画家の制作意欲を煽ったか
  針生一郎/椹木野衣/蔵屋美香/河田明久/平瀬礼太/大谷省吾編
  『戦争と美術 一九三七――一九四五』
 兵士たちの目に映った戦争心性史
  一ノ瀬俊也『戦場に舞ったビラ――伝単で読み直す太平洋戦争』
 他人の死から深い感銘をうけてよいか
  福間良明『越境する近代3 殉国と反逆――「特攻」の語りの戦後史』
 実験国家で躍った昭和戦前の群像劇
  平山周吉『満洲国グランドホテル』
 戦争民主主義と「新しい生活様式」の高揚感
  大塚英志『「暮し」のファシズム――戦争は「新しい生活様式」の顔をしてやってきた』
 「戦前型ポピュリズム」という視点から
  筒井清忠『天皇・コロナ・ポピュリズム――昭和史から見る現代日本』

知識人の戦争
 自らファシストになる可能性を心に留めた思想研究
  思想の科学研究会編『共同研究 転向』
 過去なく未来なく、ただ現在の生成のみ
  片山杜秀『近代日本の右翼思想』
 「世界史的立場」と「世界文化単位」の国内思想戦
  植村和秀『「日本」への問いをめぐる闘争――京都学派と原理日本社』
 元言論報国会会長は天皇も国民も批判した
  徳富蘇峰『徳富蘇峰 終戦後日記――頑蘇夢物語』
 戦時体制に不可欠だった国際人
  川崎賢子/原田健一『岡田桑三 映像の世紀――グラフィズム・プロパガンダ・科学映画』
 パートタイム的政治参加に踏みとどまる知性
  苅部直『丸山眞男――リベラリストの肖像』
 “戦前=戦後”に向き合うグローバルな視座
  三輪公忠『日本・一九四五年の視点』
 軍国主義と平和主義、二つの孤立主義
  細谷雄一『戦後史の解放Ⅰ 歴史認識とは何か――日露戦争からアジア太平洋戦争まで』

Ⅲ 戦争のメディア史

メディア・リテラシーを磨く
 近代日本の持続低音としての戦時歌謡
  戸ノ下達也『越境する近代5 音楽を動員せよ――統制と娯楽の十五年戦争』
 「内なるアメリカ」と帝国日本の連続性
  吉見俊哉『親米と反米――戦後日本の政治的無意識』
 戦時下で高まるレジャー熱の記録
  青木宏一郎『軍国昭和 東京庶民の楽しみ』
 大学実録“仁義なき戦い――関東死闘編”
  竹内洋『大学という病――東大紛擾と教授群像』
 「占領期=戦時期」言論空間の連続性を読み解く資料集
  山本武利編集代表『占領期雑誌資料大系 大衆文化編』
 『陸軍画報』改め大衆娯楽雑誌『平凡』
  塩澤幸登『「平凡」物語――めざせ百万部! 岩堀喜之助と雑誌「平凡」と清水達夫』
 日本人は戦時下に“敵”を描くことができたのか
  髙井ホアン『鬼畜米英漫画全集――戦時下の反アメリカ・イギリス的表象』
 放送の「戦後民主主義」神話を実証的に解体
  太田奈名子『占領期ラジオ放送と「マイクの開放」――支配を生む声、人間を生む肉声』

権力装置としてのメディア
 言論弾圧史観に見直しを迫る実証的な新聞検閲システム形成史
  中園裕『新聞検閲制度運用論』
 新聞社が主体的に参加した総力戦体制
  里見脩『新聞統合――戦時期におけるメディアと国家』
 「写真報国」への自発性
  白山眞理『〈報道写真〉と戦争――一九三〇――一九六〇』
 「記念のメディア」を読む歴史家
  キース・ロウ『戦争記念碑は物語る――第二次世界大戦の記憶に囚われて』
 子供利用の軍民転換
  サビーネ・フリューシュトゥック『「戦争ごっこ」の近現代史――児童文化と軍事思想』
 戦争映画のリアリズムとモダニズム
  大月功雄『戦争映画の誕生――帝国日本の映像文化史』
 問い続けるために不可欠な記録と記憶
  鈴木裕貴『落とされなかった原爆――投下候補地の戦後史』
 「和服姿のヒトラー」――写真から自著を読み返す
  佐藤卓己『流言のメディア史』

  あとがき
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