「立場茶屋おりき」「照降町自身番書役日誌」シリーズなどで知られ、2017年に亡くなった作家・今井絵美子さんの作品の中で入手困難だった名シリーズ「すこくろ幽斎診療記」を、カバーを一新、各巻に解説もつけて復刊します!明石町に施薬院幽々庵を開き、その日暮らしの庶民を診るかたわら、石川島の人足寄場医師も務める「すこくろさん」こと杉下幽斎。産婆兼助手をつとめるお辰、代脈の川合俊輔と美馬龍作、勝手方のおよね、おつゆ、小夏、下男の福助とともに営む幽々庵は、薬料ととらず飯まで振る舞うので連日大盛況である。ある日、幽々庵に、大工の要三が一家心中したとの知らせが入る。幽斎が急ぎかけつけると、猛毒の山トリカブトが入った饅頭を食べて亡くなったようだ。毒入り饅頭に気づいて食べなかったことで一人生き残った息子の一郎太は、皆が亡くなったことを知り「おいらは狡い」と己を責めるのだが……。大人であっても子どもであっても生きていくことの厳しさと、命のかけがえのなさ、心の通い合いを細やかに描くシリーズ第二作。シリーズ一作目「寒さ橋」も好評発売中!今井絵美子 広島県生まれ。成城大学文芸学部卒業。画廊経営、テレビプロデューサーを経て、執筆活動に入る。1998年「もぐら」で第16回大阪女性文芸賞佳作。2000年「母の背中」で第34回北日本文学賞選奨。02年「蘇鉄のひと 玉蘊』で第2回中・近世文学大賞候補作となる。03年『小日向源俉の終わらない夏』で第10回九州さが大衆文学賞・笹沢左保賞受賞。2017年逝去。他の著作に「美作の風」、「立場茶屋おりき」シリーズ、「照降町自身番書役日誌」「夢草紙人情ひぐらし店」「便り屋お葉日月抄」などがある。