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アゲもん 破天荒ポテトチップ職人・岩井清吉物語

アゲもん 破天荒ポテトチップ職人・岩井清吉物語

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商品説明
 令和に生きる私たちは、あらゆる企業間競争において、「規模こそ正義」の洗礼を受けてきた。規模はスケールメリットを生み、物の値段を安くし、効率化を促進し、経済を発展させた。結果、小さな存在は小さな存在のままでは存続できなくなった。小は大に呑み込まれ、その大も、より大きな大に呑み込まれる。資本主義の行き着いた先だ。
 
 しかし、小さな存在が小さな存在のまま存続する方法があるということを、岩井清吉は生涯をかけて証明した。壊滅的敗戦から経済大国に成り上がったものの、そこから再び脱落しつつある現在の日本で、清吉の「破天荒な」生き様に視線を向けることには、何かしらの意味を見いだせるものと信じる。(略)

 地を這う蟻の目から見た、日本人の国民食たるポテトチップスの誕生譚。手触り感のある戦後大衆史。正史に綴られざる口伝の秘話。そして、ひとりの破天荒な菓子職人の物語に、しばしお付き合いいただきたい。

(序章「蟻の目」より)


●内容について●
本書は日本のポテトチップス業界の知られざる歴史を解き明かすノンフィクションである 。群馬県の農家に生まれ、戦争による一族の没落を経験した岩井清吉が独力で菓子職人となり、1953年に菊水堂を創業。清吉は、戦後の混乱期にせんべいの製造販売で成功を収め、その後、アメリカのポテトチップス工場視察を機に日本でのポテトチップス製造に挑戦。大手メーカーの台頭や市場の変化に翻弄されながらも、「子供の食べるものだから」という信念のもと、品質と安全性を追求した。インターネット通販やお土産用ポテトチップスの開拓など独自の「ゲリラ戦」で会社を存続させ、日本のポテトチップス文化の多様性を守り抜いた、その70年以上にわたる軌跡を描く。
目次
序章 蟻の目
第1章 馬山村
第2章 東京
第3章 チップ屋
第4章 巨人
第5章 ゲリラ
終章 一時
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