あぁ、この世界に私も住みたい。
そして隈なく記して歩く学者たちの一人になりたい。
――漆原友紀(『蟲師』『水平線のネラ』(ともに講談社刊))
時の薄絹をまとえば霧のなかを泳ぐ鯨になれる。
クマグスさん、さようなら!
――今福龍太(文化人類学者・批評家)
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〈これは、昔々のお話かもしれませんし、遥か未来のお話かもしれません〉
“現在“の地点から見ると、地上に人間は随分少なく、まだ世界に未知のものがある“かもしれない“という存在のゆらぎが漂っている時代。
雨で布を編む民。貝のレコード。生きている電気。木地師たちの棲家。空から落ちた鯨。
「時間」と呼ばれるそれらのゆらぎを、観察・調査・収集する研究者たちの民族誌(エスノグラフィー)。
第30回手塚治虫文化賞[新生賞] 作家が描く幻想人類学。「オモコロ」連載時から大幅な加筆改稿を行った完全版。