スウェーダッキング 右フック 揺らぐ時代の中で浴び続けた言葉と経験が いま詩となって解き放たれる
2015年から2026年までの364首を収録。
〈唇は風の突堤 パンプスを鳴らして歩く晴海通りを〉
〈脇を締めまっすぐに打つワンツーで今朝のからだの地軸をさぐる〉
〈塗り重ね桜は春をぬりかさね春の厚みに息ができない〉
〈水彩の淡さに咲いていた花が油彩のように地にこびりつく〉
〈旗を振るかわりに揺らすマーメイドスカートの裾 青葉の街に〉
〈見える世界みえないせかいの結び目に立ってわたしは息をしている〉
乃上あつこ氏は「見える世界」と「みえないせかい」の「結び目」に立って、二つの世界を言葉と韻律の力でむずびあわそうとしている。(伊藤一彦「解説」より)
栞は小島ゆかり、吉川宏志、魚村晋太郎が執筆。