俳句は、「枯れた趣味」ではありません
小児がんの専門医が、日々の「心のゆらぎ」を名句に託して書きとめたエッセイ集
どれほどの鬱ならやまひ花茗荷
カジノ裏とびきりの星月夜かな
落ち込みのための小さなきっかけは日常の中にいくらでも転がっています。世の中に自分をつなぎ止めているものが、とてもはかないものだと思える時が特にあぶない。そんな時、俳句が舫い綱として、しっかりした存在でいれば、私の落ち込みも極限近くまでは行かないことが、最近になってわかってきました。俳句にこだわることは、強烈に現世にこだわることのように思います。<本書より>