思い通りにいく恋愛なら、続くのだろうか。
思い通りにならない恋愛は、終わるのだろうか。
恋人ごっこ、夫婦ごっこ、友達ごっこ。ままならない関係に翻弄される女性たちの恋の行方。
野間文芸新人賞候補作『春、死なん』『うつせみ』作家による恋愛小説集。
逃げたいと望む六歳年下の恋人モチノが選んだのは遊園地だった。「死ぬ訓練を兼ねている」というジェットコースターにビビって涙が止まらない彼を愛おしく思えたのに〈表題作〉。友人の結婚式で夫の不倫相手を探す妻の拭いきれない焦燥。中学時代からの女友達に想いを寄せる私。ままならない三つの恋愛物語。
「ごっこ」
六つ年下の恋人の浮世離れした逃避行に付き合って、あてのないドライブを続けるわたし。
そろそろ逃亡資金が底をついてきた。
「見知らぬ人」
友人の結婚式に集う客たちの中に、夫の不倫相手が混じっているのではないか。
あの女を探す那月が出会ったのは――。
「はこのなか」
田舎町の中学で出会った奔放な女友達タクボに思いを寄せる戸川。今の願いは、
結婚したタクボの隣室に住むこと。
紗倉まな(さくら・まな)
1993年千葉県生まれ。国立工専在学中の2012年にSODの専属女優としてAVデビュー。著書に小説『最低。』『凹凸』『春、死なん』『うつせみ』『あの子のかわり』、エッセイ集『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』『働くおっぱい』『犬と厄年』などがある。初めて書き下ろした小説『最低。』は瀬々敬久監督により映画化され、東京国際映画祭にノミネートされるなど話題となった。’20年『春、死なん』が第42回野間文芸新人賞候補、’25年『うつせみ』が第47回野間文芸新人賞候補となり注目される。