中学2年の秋、あたしは、絵本作家の大叔母・麗さんと出会う。
長く絵筆を持たなかった麗さんは、人生最後の絵本制作に挑んでいた。
ところが、絵本のテキストには、ある秘密があって―――
「茜はさ」そういいかけてだまりこみ、そしてまた口を開いた。「望みさえすればなんだってできるんだよ。ちょっとまちがってしまっても、ひどい誤解を受けても、そんなこといくらだってやり直せるんだよ」
少しいいよどみ、まだ言葉を続けた。
「だからさ、思いついたことをやればいいんだよ。後悔しないようにやっちゃえばいいんだよ」小さくうなずき「くだらない意地張って、かっこばかりつけてたらさ、茜、あんた絶対後悔するよ」はき出すようにいった。(本文より)
野間児童文芸賞作家、福田隆浩の新作YA!
未完の絵本づくりがはじまる―――
魔女の呪いをとくために
バスケ部女子中学生と、絵本作家の大叔母
無鉄砲で偏屈なふたりの笑いと涙の物語!