性愛でも、友達でもない。
人生の苦楽をともに潜り抜けた、かけがえのない同志へ。
「私たち、なれるんじゃないか、“かたらい”に」
■■■■これってあなたの夫婦生活にもあるある?■■■■
夫婦とは、許す・許さないを超えた「ナゾの絆」。
小島K子(またの名をコラムニスト・小島慶子)最新刊!
webマガジン「mi-mollet」発 人気連載を書籍化。
――幼い頃から、愛はいいものだとそこらじゅうで見聞きした。
絵本にもテレビにも教科書にもそんな話がいっぱい。
甘くて温かくて清らかな、とっても素敵なものなのだと。
でも実際生きてみたら、愛は思っていたよりずっと凄まじいものだった。
――夫に死んでほしいと思ったことがある。
どうか無事でと毎朝祈ったこともある。彼は誰よりも私に
親切にしてくれた人で、誰よりも酷いやり方で私の魂を殺した人だ。
(略)死んでほしいと思った相手の健康を祈っている。
こんなことが起きるのか、人生は。
――私は隙あらば、ジメジメと暗い穴を下へ下へと降りていく。(略)
闇の中で心地よく自分をいじめていると、何やら頭が温かい。
やたら眩しい光がさす。見上げると穴の縁からヤツがのぞいている。
一〇〇ワット野郎だ。それで「こっちは明るい」だのいうので、
私は鬱陶しいなと思いながら、ノロノロと穴から上がっていく。
(本文より)
「K子」は、私であり あなたでもある。
葛藤、別居、再同居、そしてADHDの日常。
割り切れない感情のまま、今日をもがいて生きるすべての人たちへ。
心に深い傷を残した出来事や、相容れない価値観。
一度は将来の離婚を誓い合ったことも。
それでも日々の暮らしは続き、
気づけば「夫の健康」を心から願っている。
二拠点での別居生活、子育て終了、そして老後。
考え続ける「K子」の、ユーモラス(?)な夫婦観察日記。