「元の世界に戻してあげられる」。待ち望んだ言葉なのに胸が痛む理由とは? 偶然の出会いが思いがけない手がかりをもたらす!?
異世界間転移魔法の完成に欠かせない魔力結晶を取り戻すため、
カエデたちは聖道教会について調べ続けていた。
ヒースの協力により、ヒースの父オッタが魔力結晶の行方に関わっている
ことが分かり、カスミの力を借りてオッタの家を探ったカエデたちは
魔力結晶を発見して、ついに取り戻すことができた。
しかしオッタの目的は、魔力結晶の力で
「呪いを無効化する魔道具」を作ることだった。
多くの人を呪いから救い、危険な仕事に就く息子を
少しでも守りたいと願うオッタに対し、ヒースは他人を欺いて
大切な物を奪っていい理由にはならないと言って対立する。
二人とも人を救いたいという思いは同じだが、
何を犠牲にするかが異なっていた。
オッタから得た情報と魔道具を使い、カエデたちは魔力結晶の
調査を再開したが、内部から現れたのは呪いではなく、
高濃度の「清廉場」の魔力。
そんな中カエデは、“夢”のような奇妙な現象を体験する。
物音の絶えた誰もいない街、午前二時で止まった時間、
空を川のように流れる白い魔力。
そして二度目の“夢”では、魔力だけで形を作ったような白い人影と出会う。
その体験により、異世界間転移魔法には「時」という条件も
重要だと分かってくる。
時間や星の位置が魔法に及ぼす影響を調べるため、
カエデとカルデノは資料を求めて星祭りの開かれる町へ。
そこで偶然助けた老人から譲られた古い本が、思いがけない手がかりとなる。
元の世界へ帰れる日は確実に近づいている。
だがそれは、カルデノやカスミたちとの別れが近づいているという
ことでもあった。
待ち望んでいた未来を前に、カエデは嬉しさだけではなく小さな痛みも感じていた。