今度は異世界の“距離”までぶっ壊す!? 超人気シリーズ第10弾はワクワクとムフフを大盛でお届け! コミックスも大好評!
イスピリトへ移住したミグード族。その新たな生活基盤を整えるため、
キッドは彼女たちがアーティファクトで生産する高品質な「紙」を
リグザールで販売しようと考える。
ところがその紙は、ルリジオン教国産の最高級品に匹敵する品質でありながら、はるかに安価に作ることが可能だった。
「紙は教国にとって一番の利権だ」
このまま市場に流通させれば、教国が握ってきた巨大な利権を
揺るがしかねない。
キッド本人はただ商売をするつもりだったが、
従者クロエは教国産の紙を市場から駆逐できると黒い笑みを浮かべる。
さらにキッドは、イスピリトやリグザール、イストリア
に散らばる仲間たちの移動を楽にするため、新たな交通手段の整備に着手する。
「鉄道を敷きたいな」
カードの力で何もない土地に駅を作り、線路を延ばし、さらには列車まで用意。試しに走らせてみると、音も揺れもほとんどなく恐るべき速度で進み、
馬車なら二週間かかるリグザールとイスピリト間を、
わずか三十分で走破してしまう。
あまりの高性能にキッド自身も唖然。さらにグリモワールにも
駅を作ることになり、魔道具好きのソリド伯爵やドリス、
次期女王ペルルたちまで興味津々。
激務に追われるソリドが「たまには息抜きがしたい」と訴えたことで、
一行は成り行きから列車に乗ってイスピリトへ向かうことになる。
商売のため、仲間たちのため――ただ少し便利にしたかっただけなのに、
キッドの何気ない行動は、国と国との距離まで変え始めていた。