わたしはあなたを、救えない---過酷な運命に抗うタイムリープ・ファンタジー。 五十回目の扉の先で運命はどう変わるのか?
『時間を巻き戻し、護衛官トウイを一〇〇日間
生き延びさせれば元の世界に帰す』
――神獣が仕掛けた残酷なゲーム。
四十九回の失敗と喪失を経て、五十回目の世界に降り立ったシイナは、
最初の大きな災厄である妖獣の襲撃を乗り越えた。
神ノ宮には平穏が戻ったかに見えたが、
美しい白い花とともに猛毒の暗殺虫「ミニリグ」が
持ち込まれ、シイナを慕う侍女サリナがその毒に倒れてしまう。
救いを求める彼女を前に、シイナは改めて「人を救う」とは
何なのかを突きつけられる。
しかも神ノ宮は事件そのものより規律を優先し、
大神官はトウイたち護衛官にも責任を問おうとする。
その姿勢に強く反発したシイナは、
何が起きているのかを自分で確かめようと動き出す。
「もう待たない。――災厄は、やって来る前に叩き潰す」
事件を追って街へ出たシイナたちは、神獣を疑う不穏な噂と、
それを意図的に広めているらしい者たちの存在に行き着く。
さらにその先には、これまでの神ノ宮の常識とは異なる
狂信的な信仰の気配があった。
神ノ宮でただ災厄を待ち、起きてから対処するだけでは
トウイの運命を変えられない。
そう悟ったシイナは、自分自身の目でニーヴァ国を
見て回ることを決意する。
「神獣の守護人」ではなく、「椎名」というただの少女として。
運命を待つのではなく、自らその先へ踏み込む――
五十回目の“最後のやり直し”は、新たな局面へと動き始める。