大学4年生で民俗学を専攻する水上司は、同期の友人・佐倉智徳に誘われ、長野にある彼の実家が祀る憑き神「オクガミサマ」の調査に向かう。聞けば智徳は、オクガミサマに選ばれて「神の伴侶」となり、大学も辞め実家に戻って世俗を離れるのだという。
「もう、佐倉に会えなくなるのかもしれない」
司の胸に、複雑な思いがよぎる。
一方で、智徳にも、司を佐倉家に誘うある目的があった。
辿りついた佐倉家は広大な屋敷で、中庭には不思議な空気の漂う離れが建っている。そこが、オクガミサマがいるという「童間」だ。書庫でオクガミサマについて調査を始めた司は、資料を読み進めるうち、神の伴侶「オクガミサマ付き」と対になる「形代」という存在があることに気付く。
オクガミサマとは何なのか。今宵、童間という禁足地の扉が開く――。
「そばにいたい」思ったのは、ただそれだけ。
『宝石商リチャード氏の謎鑑定』の辻村七子も瞠目、湿度高めの民俗学系ブロマンス!