なぜ被爆者の子どもについて語ることが“タブー視”されるのか?
「差別する私」と向き合う、渾身のノンフィクション。
被爆者の子どもを表す「被爆二世」という言葉には一定の知名度がある。
親の戦争体験を語り継ぐ平和運動の担い手というポジティブな文脈で登場することが多い一方、当事者自身の遺伝的影響や健康問題、差別への苦しみなどには光が当てられてこなかった。
本書では被爆二世が生きた戦後に焦点を当て、初めて語られる証言の数々とともに原爆被害の本質を考察する。
戦後80年を経て、「核の時代」を生きる私たちは、どのように核被害と向き合うべきなのか。
原爆被害を追い続ける気鋭のジャーナリストが、国に、社会に、自分自身に突きつける問いかけとは――。
第23回開高健ノンフィクション賞最終候補作
【目次】
序 章 「被爆二世」との出会い
第一章 調査される子どもたち
第二章 「寝た子」を起こすな
第三章 立ち上がる被爆二世たち
第四章 調査と援護のはざまで
第五章 永遠に続く平行線、それならば
終 章 トンネルを抜けるために
【著者プロフィール】
小山美砂(こやま みさ)
ジャーナリスト。1994年、大阪市生まれ。毎日新聞記者を経て、2023年からフリー。広島原爆投下後に降った「黒い雨」の被害を記録した『「黒い雨」訴訟』(集英社新書)で第66回JCJ(日本ジャーナリスト会議)賞受賞。旧ソ連のセミパラチンスク核実験場(カザフスタン)を訪れるなど、核被害をテーマに取材を続けている。近著に『気象学者 増田善信 信念に生きた101年』(本の泉社)ほか。広島市在住。