この世には、不幸せな人を見えづらくする仕組みがある。
デビュー20周年。
『熊はどこにいるの』で谷崎潤一郎賞を受賞した著者が、
岩手・盛岡を舞台に紡ぐ圧巻の群像劇。
東京の不動産開発会社に勤め、東北で高層マンションの建設計画に携わっていた等。
かつて一人息子を亡くし、現在は老いて認知症の気配をただよわせる詩子。
仕事を辞めて単身故郷に戻り、叔母・詩子の面倒をみながら暮らす榛香。
行方不明の長男を捜して盛岡に滞在する元編集者の夕里江。
白鳥が飛来する地方都市で、四人の過去と未来が絡み合う……。
【著者略歴】
木村紅美(きむら・くみ)
1976年兵庫県生まれ。小学校六年生から高校卒業まで宮城県仙台市で過ごし、現在岩手県盛岡市在住。明治学院大学文学部芸術学科卒。2006年に「風化する女」で文學界新人賞を受賞しデビュー。著書に『風化する女』『月食の日』『夜の隅のアトリエ』『まっぷたつの先生』『雪子さんの足音』『熊はどこにいるの』等がある。