全米が感動したブラック・フェミニズム小説
1973年春、看護師のわたしは
あの愛しい姉妹に出会ってしまった。
ふたりの未来を奪う組織の者として――
2023年NAACPイメージ・アワード優秀文学作品賞(フィクション部門)受賞、
Audible 2022年ベストブック選出。
公民権運動の熱冷めやらぬ米国南部、実在の裁判をベースに
熱いシスターフッドを描く傑作ブラック・フェミニズム小説!
1973年、アラバマ州。モントゴメリー家族計画クリニックの新米看護師シヴィルは、アフリカ系アメリカ人の女性たちが自分の人生と身体について自分で選択できるための力になりたいと、使命感に燃えていた。ある日、指導看護師から避妊薬投与の指示を受けて訪れた貧しい父子家庭にいたのは、わずか13歳と11歳の恋も知らない姉妹だった。自分の仕事に苦悩しながら、姉妹とその家族に心を寄せ、彼らを今の生活から救い出そうとするシヴィル。しかし、姉妹の身に想像もしていなかった恐ろしいことが起こる――。
【編集担当からのおすすめ情報】
旧優生保護法の下に行われていた強制不妊手術をめぐる国家賠償訴訟をご存じでしょうか。1948~96年までの48年間で、障害などを理由に手術を受けさせられた人は約2万5000人にも上ります。
米国でも、非白人の女性が被害に遭った同様の事件と裁判がありました。
〈この小説は、「レルフ対ワインバーガー訴訟」という実在の訴訟事件に大まかな着想を得たフィクションです。一九七三年六月、アラバマ州モントゴメリーで、十四歳と十二歳の姉妹、ミニー・リー・レルフとメアリー・アリス・レルフは、連邦政府から資金提供を受けた機関によって、本人の同意なしに不妊手術を受けさせられました。この恐ろしい人権侵害に憤慨した姉妹のソーシャルワーカー、ジェシー・ブライは、地元の弁護士に通報しました。最終的に、訴訟はワシントンDCの連邦裁判所に持ち込まれました〉(「著者あとがき」より)
女性たちが自分の身体について自分で選択できるようにと、不正を見逃さず、理不尽に怒り、貧富や人種の壁を越えて小さな力を結集させて巨大な権力と闘った人たちが、かつていました。本書を通してそのことに思いを馳せていただければ幸いです。