白洲次郎・正子の長女が語る“たからもの”
東京郊外に佇む、築100年を優に超える茅葺屋根の農家──「武相荘」で、白洲次郎・正子夫妻の長女、牧山桂子さんは育ちました。武蔵野の豊かな自然のなか、父・次郎さんのかけがえのない思い出、母・正子さんが愛でた美しいものを大切に守り、育み、そして今へと繋いでいます。
そんな「武相荘のたからもの」について桂子さんがつづり、2022年から3年間好評を頂いた『和樂』の連載が、いよいよ一冊の単行本に。陶磁器やガラス、漆器、さまざまな布などにまつわる、文字どおり“物”語には、ものを見つめ、暮らしのなかで慈しみながら使うことの喜び、楽しみが満ちています。
四季折々の武相荘を背景にした美しいビジュアルに加え、「旧白洲邸 武相荘」の会員組織「武相荘の倶楽部」メンバー限定のメルマガに掲載された桂子さんのエッセイも所収。桂子さんだけが知る白洲夫妻のエピソードはときにユーモアに溢れ、見応えも読み応えもたっぷりの一冊に。
白洲次郎・正子夫妻、そして牧山桂子さんの日々の暮らしは、たくさんのものより少しのものを自分らしく選び取りたい、心豊かに日々を送りたいと願う人々に、きっとヒントを与えてくれるでしょう。
【編集担当からのおすすめ情報】
掲載されている“たからもの”はこんなもの!
*白洲次郎さんが愛したブランデーグラス
*白洲正子さんが夢中になった古代ガラス
*牧山桂子さんのベビードレス
*正子さんと桂子さんで奪い合ったかき氷の器
*正子さん、桂子さんが慈しんだ麦藁手
*次郎さんも正子さんも大好きだった印鑑
などなど……
登場する“たからもの”は全部で17点ですが、それ以外にも父・白洲次郎さん、母・正子さん、そして何より一家の礎となった武相荘の自然がたからもののように語られます。
戦後、吉田茂首相の片腕として、日本の復興と独立に重要な役割を果たした白洲次郎、日本の美を独自の視点で見出し、『かくれ里』などの名著を残した白洲正子──そんなふたりに憧れを抱く人も多いことでしょう。けれども長女である牧山桂子さんの目を通して語られる夫妻は、人間的で、チャーミング。それでいて人を見る眼、ものを選ぶ眼に独特の鋭さがあり、ブレがありません。
何を選び取るかは、実は生き方そのもの。白洲次郎・正子夫妻、そして桂子さんの人やものとの向き合い方に、ハッとしたり、クスッと笑みがこぼれたり、豊かな時間を約束してくれる一冊です。