若き皇帝は、罪を犯した仙女を溺愛する――
「言っただろ。必ず迎えにきて、おまえを俺の妃にするって」――かつて、たった数日一緒に過ごしただけの少年・濤牙が、大人になって琳迦の目の前に現れた。それは許されない罪を犯し、妖魔の生贄になることが決まっていた琳迦にとっての、奇跡の始まりだった。
霊樹である「仙木様」に護られた桃花郷には、外の世界と異なるゆっくりとした時間が流れている。そのため住人たちは長く若い姿を保ち、外界の者からすれば、彼らは仙人・仙女のごとく見えるのだ。郷で虐げられていた琳迦はかつて、大けがをして郷に迷い込んできた濤牙を助けたことがあった。内乱で父帝や親族を殺され垓帝国の宮城を追われた濤牙は、当時十四歳。傷を癒やすために数日を郷で過ごし、琳迦に「迎えにくる」という約束の言葉を残して去った少年は、そこから十年以上の時を経て、立派な青年となり――国権を取り戻し、皇帝の地位を得て、再び琳迦をその腕に抱きしめたのだった。
さて垓帝国では、どんな令嬢にもなびかないことで有名だった若き皇帝が愛する仙女を連れてきたというので、大騒ぎになっていた。自分の置かれた状況に戸惑うしかない琳迦だったが…。極上の中華風ファンタジー!