なぜ誰もが勅撰集に歌が収められることを願ったのか――
本書の主人公である後嵯峨院が何者かを知る人は少ないだろう。
天皇在位1242~1246、院政期1246~1272は、鎌倉幕府でいうと、
三代執権泰時から八代時宗に当たり、出来事としては承久の乱後、
御成敗式目制定後10年の時点から元寇直前までの間を指す。
本書では、この後嵯峨院が治天の君として君臨した時代を
日本史上空前の政治的安定期と目し、
政治と文化が融合した関係の全容を読み解きたい。
後世にまで影響をおよぼした、日本史の強固な地盤の一断面を明らかにする。