- 発売日:2017/05/12
- 出版社:文藝春秋
- ISBN:9784163906478
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夫・車谷長吉
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- 発売日:2017/05/12
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商品説明
この世のみちづれとなって
十一通の絵手紙をもらったのが最初だった。
直木賞受賞、強迫神経症、お遍路、不意の死別。
異色の私小説作家を支えぬいた詩人の回想。
【本文より】
長吉は二階の書斎で原稿を書き上げると、それを両手にもって階段を降りてきた。
「順子さん、原稿読んでください」とうれしそうな声をだして私の書斎をのぞく。
私は何をしていても手をやすめて、立ち上がる。食卓に新聞紙を敷き、
その上にワープロのインキの匂いのする原稿を載せて、読ませてもらう。
(中略)
それは私たちのいちばん大切な時間になった。原稿が汚れないように
新聞紙を敷くことも、二十年来変わらなかった。相手が読んでいる間中、
かしこまって側にいるのだった。緊張して、うれしく、怖いような
生の時間だった。いまは至福の時間だったといえる。 (本文より)
十一通の絵手紙をもらったのが最初だった。
直木賞受賞、強迫神経症、お遍路、不意の死別。
異色の私小説作家を支えぬいた詩人の回想。
【本文より】
長吉は二階の書斎で原稿を書き上げると、それを両手にもって階段を降りてきた。
「順子さん、原稿読んでください」とうれしそうな声をだして私の書斎をのぞく。
私は何をしていても手をやすめて、立ち上がる。食卓に新聞紙を敷き、
その上にワープロのインキの匂いのする原稿を載せて、読ませてもらう。
(中略)
それは私たちのいちばん大切な時間になった。原稿が汚れないように
新聞紙を敷くことも、二十年来変わらなかった。相手が読んでいる間中、
かしこまって側にいるのだった。緊張して、うれしく、怖いような
生の時間だった。いまは至福の時間だったといえる。 (本文より)
夫・車谷長吉
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