慶長5(1600)年。天下を二分する関ケ原の戦いが迫っていた。
真田家もまた2つに割れる。父・昌幸と弟・信繁(幸村)は西軍へ。兄・信幸は東軍へ。
そんな中、17歳の右近に急ぎの主命が下った。柳生宗矩から兄・宗章への密書を、大戦が始まる前に届けよ、と――。
上田から岐阜まで、67里(約268㎞)。期限は実質6日。
八ヶ岳を越え、中央アルプスを越え、大河を渡る。右近は家来の榛名大吉、新しく従僕となった権蔵とともに西へ向かう。
「本当に死んでしまいますよ」
弱音を吐く大吉に、右近は言う。
「苦しいのは死ぬまでだ。安心しろ」
身の丈六尺二寸(188㎝)。背には、全長七尺一寸(約2m15㎝)の長大な野太刀。
夜を徹して山を越え、川を渡り、3人はひたすら岐阜を目指す。その先で待つのは、天下分け目の関ケ原――。熱き疾走の第2弾!