2025年、国際秩序の動揺は一段と鮮明になりました。ウクライナや中東における紛争の長期化に加え、トランプ政権の輸入関税引き上げは中国のみならずアジア諸国に波及し、サプライチェーンに広範な不確実性をもたらしました。台湾海峡・南シナ海の緊張が続くなか、パキスタンとインドの大規模衝突やタイとカンボジアの領土紛争など、安全保障環境もいっそう不安定化しました。さらに韓国での大統領弾劾と政治的分断や、インドネシア、ベトナム、中国における大規模な権力再編など、各国の内政面でも大きな変動がみられました。
先行きの不透明さが増す時代にあって、各国の動向を多面的かつ冷静に分析することはこれまで以上に重要です。『アジア動向年報2026』では22のアジアの国・地域に加え、アメリカとアジアの関係を網羅的に分析。長年にわたり対象国を観察してきた研究者が、一次資料に基づき、2025年の動向をその歴史的背景や文脈に位置付けて解説します。激動の時代を理解するための信頼できる一冊です。