過去20年にわたるバングラデシュの経済成長は、他の資源豊富な開発途上国のように、新たな資源の発見や、エネルギー価格の上昇によって実現したのではなく、アパレル産業に代表される産業の成長によるものであった。そしてその産業構造は、アパレル産業モノカルチャーから、複数の産業が発展を担う、よりバランスのとれた構造へとシフトしつつある。本書は、現在のバングラデシュの産業構造を多様化し、今後さらなる成長が期待される新興(一部は再興)産業をとりあげ、その潜在力を探ることを目的としている。これらの産業は、大まかにいって、3つの競争力の源泉または存立基盤のうえに発展を遂げている。その3つとは、豊富な自然・人的資源、周辺国および先進国に対する後発性の利益、そして拡大し始めた国内市場、である。