体に力が入らない子、バランスをくずしてころんでしまう子、すぐに疲れてしまう子、そんな子どもたちを、私自身が目や耳にする機会が増えてきました。一方で、足腰がしっかりしていて動きに安定感がある子、どんな動きに対しても対応できるバランスのよい子、座っている時や立っている時の姿勢がよい子もいます。これらの子どもたちとは、どんな違いがあるのでしょうか?
理由の1つとして、「体幹力」の育ちの差が挙げられます。運動あそびを通して、体作りを育んできた子どもは足腰が強くなるので、どんな動きに対しても安定感をもって取り組めます。また、お腹周りの筋肉を、しっかりと固めることができるので、骨盤が安定し、正しい姿勢を維持することができます。正しい姿勢を保ち、背骨を伸ばすことが、神経や脳への刺激を高め、脳への血流がよくなり、集中力も高められると言われているのです。
本書では、私が長年、日々の現場で取り組んできた、体幹を育てる運動あそびを1冊にまとめました。
実際に指導現場で子どもたちと一緒にあそんでいて、「体幹がついてきた!」「体がしっかりしてきた!」と感じることができたあそびプランを256種紹介しています。どのあそびプランも、実際に子どもたちと行っているものばかりです。まずは運動と考えずに、「あそび」としての体作りの時間を楽しんでみてください。
体幹あそびを通して、一人でも多くの「運動が好きな子ども」が増えることを願っています。