空の地経学戦略

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商品説明
航空宇宙モビリティ研究の第一人者と、地経学の専門家がタッグを組み
「空」から地政学を論じる初めての本。

米中対立、中東情勢の緊迫とホルムズ海峡封鎖、ロシアのウクライナ侵攻、
台湾有事、サプライチェーン分断――
地政学リスクの時代に、日本の航空ネットワークをどう守るのか。
コロナ禍とウクライナ侵攻で一変した「空の国際秩序」を読み解き、
日本がとるべき未来戦略を示す。

「空を制する者は、世界を制す」――。
現代社会に不可欠な半導体とその製造装置、ノートPCやスマートフォン、
医薬品・ワクチンなど貴重な戦略物資は、どれも航空機で運ばれている。
そしていま、地政学リスクの高まりによって、空の覇権争いは激しさを増している。
本書は、世界の「空のつながり」を、複雑ネットワーク分析の手法を用いて可視化し、
地政学と経済安全保障を掛け合わせた「地経学」の視点から、アメリカ、中国、ヨーロッパ、ロシア、インド、中東、ASEAN、中南米諸国など主要各国の動向を解説する。

・ウクライナ侵攻の影響で、米・欧・日の航空機はロシア上空を迂回している一方、中国機は飛び続けており、中国企業がコスト競争で優位に立つ一因となっている。
・成田からデトロイトやロンドン、ミラノへの定期直行便は現在ない。世界各国から日本への「空の玄関口」は、羽田でも成田でもなく、韓国・仁川空港になっている
・台湾有事で台湾上空が飛べなくなっても、日本の航空ネットワークは維持できる。だがもし、朝鮮半島有事が同時発生した場合は……

「陸」と「海」が中心だった防衛・安全保障の議論に新たな視座を導入し、
政策決定者、企業経営層から注目される最新研究を書籍化。
航空機・航空管制の発達の歴史や、知られざる航空輸送システムの全貌も解説する。
目次
プロローグ

第1章 空の地経学とは――空の覇権が経済を動かす
エアパワーから見る日本の防衛・安全保障
 空の力関係が映す「世界の力学」
 台湾有事の可能性――グレーゾーン事態の現実性
 武器化する経済――経済の相互依存と安全保障リスク
航空輸送と経済安全保障
 「日本の盾」は何か
 航空輸送が止まれば、世界の生産が止まる
 空の情報網を可視化する――チョルノービリ事故の教訓
 安全より「効率」が優先されるリスク――スペースシャトル爆発事故の教訓
 見えない戦争――GPSを開放した大韓航空機撃墜事件の教訓
 地経学の時代に、航空輸送はどうあるべきか――トマホーク巡航ミサイルの事例

第2章 知られざる空の舞台裏――航空輸送システムの全貌
航空輸送の成り立ち
 エアメールが開いた空の道
 空の交通整理の始まり
 航空管制官の誕生
 航空輸送における政府機関の介入
 航空輸送の基盤システム
 航空交通量の需給コントロールへ
空の交通整理と空港のキャパシティ
 空域とは何か
 空にも道がある
 空港はどのように運用するのか
変わる航空運用――気候変動と国際情勢の影響
2大拠点、羽田と成田の空港運用
滑走路が制限する空港のキャパシティ
外交交渉も絡む国際空港の「スロット」配分
航空機はどのように飛ばすのか
 コックピットから見る景色と計器の指針
 航空機のナビゲーション
 出発から到着までの世界規模システム
 紛争や災害から航空機を守る情報連携
「空の安全」が脅かされるとどうなるのか
 なぜいま、「空の安全」が問われているのか
 「空の地経学リスク」に備えてサプライチェーンの強靭化を急げ

第3章 「空のネットワーク」を読み解く――米・中・日の戦略構造
2019年から2023年にかけて何があったのか
 激変する「空のネットワーク」
 日本の航空ネットワークは、有事に耐えられるのか?
COVID-19パンデミック――世界の機能が止まった
ロシア・ウクライナ戦争――世界秩序の亀裂が、空のネットワークを変えた
イスラエル・パレスチナ戦争――「中東の火薬庫」が再び動き出した
グローバスサウスの経済成長――インドが示す「非同盟経済」の可能性
航空ネットワークから見る国際構造の変化
 見えざる「空の動脈」を可視化する
 航空ネットワーク分析の手法
 世界の再編と米国の強靭さ
 中国の国家戦略――空のネットワークから見る「内向きの強靭化」
 戦略なき日本の空
台湾有事の空をシミュレーションする
 日本のサプライチェーンはどうなるのか
 分断される空

第4章 多極化する空の秩序
再編される空の中核――欧州・中東・ASEAN
 欧州が失いつつある空の主導権
 中東――空の要衝を制した「第3極」の登場
 ASEAN――成長と脆弱性の間で揺らぐサプライチェーン
浮上する新たな国々――航空ネットワークの新地図
 インド――飛び立つ経済に後れをとる空のインフラ
 ロシア――航空ネットワークに映る緊張と変容
 カナダ――じわりと強まる北の結節点
 オーストラリア――南半球の安定した空の結節点
 中南米――航空輸送量が示す潜在力と経済成長の重なり

第5章 航空サプライチェーンを強靭化する国家・企業戦略
日本の航空サプライチェーンの課題は何か
 頑強な西側と脆弱な非西側――空の狭間で日本の航路を問う
 宇宙の眼で、地経学リスクを俯瞰する
 空の主導権を取り戻すために――いま必要な日本の戦略転換
航空力で日本を強くする――経済と国家安全保障の未来図
 “人が主役”のテクノロジーと人材育成で守る安全基盤
 米国「不在」をチャンスにする――日本独自の航空ネットワーク戦略を
 日本の“空の渋滞”を突破する
 旅客・貨物の一体化で航空輸送をデザインする
強い空港がつくる強い日本経済
地方空港とコンセッション、観光から宇宙産業へ
科学的分析と対話に基づく国家・企業戦略を

エピローグ
あとがき

資料編
 用語集
 空港重要度の比較ランキング
 参考文献
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