様々なAIツールを使い倒し、自社のマーケティング業務の改革を進める中で、筆者が導き出した、「AI時代に人間が生き残るために必要なたった1つのスキル」。それは「属人力」です。
今まで、どのマーケティング本、ビジネス本を開いても、属人力は"悪"とされてきました。属人的な仕事はノウハウ、判断やアイデアの出し方が特定の人に依存している状態であり、その担当者がいなくなると業務に支障を来すリスクがある、というのがその理由でした。しかし、この常識はAI時代に完全に逆転します。
「AI時代に人間に残された最強のスキルは属人力である」。これがAIを使い倒した末に、筆者がたどり着いた結論です。
●AIで生まれた「質の低いクリエイティブの量産」という問題
AIによって標準化されている領域は、もはや武器にも価値にもなりません。競争力を生み出すために人間がすべきは「意味の発明」です。
●差別化は「意味の発明」から生まれる
その昔、暗かった社会において、ろうそくは周囲を明るく照らすためのものとして使われてきました。ですが、LEDなどによって明る過ぎる社会になった現在は、逆に暗いムードを楽しむものとして重宝されるようになっています。つまり、「明るく照らすもの」から「暗いムードを楽しむもの」へと、ろうそくが持つ意味は大きく変わりました。これこそが「意味の発明」です。
自社が提供する商品・サービスに新しい役割、新しい独自性、新しい便益と言い換えることができます。その役割、独自性、便益にインパクトがあるほど競合に対してアドバンテージとなり、生活者から選ばれる可能性が高くなります。つまり、人々の脳内に新しいカテゴリーとして定着し、自社を優位かつ非連続な成長につなげることができます。
そして、また「意味の発明」はAIにはできない、人間にこそ宿るスキルです。本書では意味を発明するための3ステップを解説。共同購入アプリから「野菜がもらえるアプリ」へと意味を大きく変えたことで成功した、スマートフォン向けアプリ「カウシェ」の事例も、カウシェの代表取締役の門奈剣平氏との対談で深掘りします。
●ファミリーマート CMO 足立光氏とAI時代の生存戦略を徹底議論
「使っている人間の限界がAIの限界になる」
P&Gジャパン、日本マクドナルド、ファミリーマートで様々なヒット企画を生み出してきた足立光氏はこう指摘します。AIで大量のアウトプットを生み出せる時代では、人間側がAIに負けないくらいの知見や切り口を持っていないと、AIの出力を適切に評価できません。
では、その知見や切り口はどのように身を付ければいいのでしょうか。AI時代のマーケター生存戦略を徹底議論。足立氏がAIには生み出せないアイデアのヒントを見つけるために日々心掛けていること、判断能力を養うために取り組んでいることなどを明かします。