強いチームを育てる組織開発ガイド~経営層・管理職のためのアジャイルな組織づくり~

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商品説明
本書は、ひとことで言うなら、アジャイルソフトウェア開発宣言の原則にある、

意欲に満ちた人々を集めてプロジェクトを構成します。
環境と支援を与え仕事が無事終わるまで彼らを信頼します。

という一文を、組織とマネジメントの観点から一冊かけて解きほぐした本です。
チームを信頼するとは、何を意味するのでしょうか。人が力を発揮できる環境と支援を与えるとは、組織に何を求めるのでしょうか。そして、リーダーは何を手放し、何を引き受けなければならないのでしょうか。
本書が向き合うのは、まさにこの問いです。
人類に、未来を予知する能力はありません。AIがどれほど進化しても、明日の顧客の心変わりや、来月の市場の変化を正確に言い当てることはできません。だからこそ、変化の激しい時代に必要なのは、完璧な計画ではなく、学習しながら適応できる組織です。
その組織を生み出すために必要なのは、現場を細かく管理することではありません。意欲ある人々が力を発揮できる環境を整え、必要な支援を与え、仕事が無事終わるまで信頼することです。
その変化に向き合うことは、個人の努力や現場の工夫だけでどうにかなる状況では、もはやありません。チームを支える組織の構造、意思決定、権限、評価、マネジメントの前提そのものを見直す必要があります。
本書は、現場にアジャイルを強いる本ではありません。管理職・経営層などのリーダー自らが「組織のOS」を書き換え、チームの力を解放するための変革の書です。(「はじめに」より)
目次
第1章 アジャイルの基本と原則:強いチームの作り方
1.1 アジャイルソフトウェア開発宣言
1.1.1 4つの価値
1.1.2 12の原則
1.1.3 アジャイル宣言が示す学習する組織への転換
1.2 スクラムとは
1.2.1 アジャイルとスクラムの関係
1.2.2 スクラムの価値観
1.2.3 スクラムの責任(Accountability)
1.2.4 スクラムのイベント
1.2.5 スクラムの作成物(アーティファクト)
1.2.6 スクラムの特長と効果
1.3 アジャイルはチームスポーツ
1.3.1 優れた個人の寄せ集めだけでは勝てない
1.3.2 「阿吽の呼吸」はいかにして生まれるか
1.3.3 自己組織化という戦術
1.4 反復:不確実性を飼いならす最も有効な方法
1.4.1 反復とは「経験主義」という科学的アプローチである
1.4.2 短い反復が「リスク」を燃料に変える
1.4.3 信頼の再定義:「計画への準拠」から「価値提供能力」へ
1.5 本章のまとめ
column 雁の群れに学ぶ自己組織化
第2章 共通理解が自律性とチームワークを育む
2.1 リファインメント:価値の種を見つけるための共同作業
2.1.1 ユーザーストーリー:対話を生む「共通言語」
2.1.2 リファインメントにおける具体的な活動
2.1.3 ユーザーストーリーマッピングという共同作業
2.1.4 チームワークを高める見積もりとは
2.1.5 プロダクトオーナーの「説明責任」と役割
2.2 スプリントプランニング:「共通理解」を行動計画に変える共同作業
2.2.1 スクラムの「計画」とウォーターフォールの「計画」
2.2.2 共同作業による「共通理解」が計画を支える
2.2.3 リファインメントをおろそかにした場合に起きる問題
2.2.4 チームワークを支える2つのイベント
2.3 デイリースクラム:計画を生き生きと動かす共同作業
2.3.1 デイリースクラムの目的と本質
2.3.2 共通理解を更新し、チームワークを強化する
2.3.3 報告会に陥ったデイリースクラムの問題
2.4 スプリントレビュー:共通理解を顧客に広げ、チームの未来を拓く
2.4.1 スプリントレビューは「承認会議」ではない
2.4.2 チームの共通理解がスプリントレビューの質を高める
2.4.3 顧客からのフィードバックがチームの未来を拓く
2.5 スプリントレトロスペクティブ:チーム自身を「強化」する共同作業
2.5.1 スプリントレトロスペクティブの目的と本質
2.5.2 共通理解と心理的安全性が深い議論を生む
2.5.3 継続的改善がチームを「最強の学習マシン」にする
2.6 スプリント:共同作業が織りなす「価値創造のサイクル」
2.6.1 スプリントはアジャイル開発の心臓である
2.6.2 共同作業が織りなす「共通理解のサイクル」
2.6.3 イベントの連鎖がチームの自律性を育む
2.7 本章のまとめ
column 「 問題」と「課題」を混ぜていませんか?
第3章 チームワークで「アジリティ」を高める
3.1 フローとは何か
3.1.1 「フロー」の見える化:バリューストリームマップ
3.1.2 リードタイムとサイクルタイム
3.2 WIP制限でフローを高める
3.2.1 WIP制限とは
3.2.2 高速道路の例で見るフロー効率
3.3 スウォーミングでフローを加速させる
3.3.1 WIP制限の問題点とスウォーミング
3.3.2 スキルマッピングによる多能工化の促進
3.4 仕事の細分化によるフローの改善
3.4.1 バッチサイズ
3.4.2 「ロット生産」と「一個流し」
3.4.3 ウォーターフォールとアジャイル
3.4.4 プロダクトバックログの分割
column ユーザーストーリーの分割方法
3.5 ボトルネックを見つけて改善する
3.5.1 システム全体の能力はボトルネックに制約される
3.5.2 「局所最適」に陥る罠
3.5.3 インプットをアウトプットに合わせて調整する
3.5.4 ボトルネックを補強し、フローを改善する
3.5.5 ボトルネックの探し方
3.6 サイクルタイムはどこまで短縮できたか
3.7 本章のまとめ
第4章 チームを支援する組織作り
4.1 アジャイル開発の成否は準備で決まる
4.2 まずは構造を疑おう
4.3 品質ゲートを取り払い、フローを加速しよう
4.3.1 品質ゲートがフローを阻害する理由
4.3.2 アジャイルにおける品質と安心の実現
4.4 チームメンバーは専任にしよう
4.4.1 兼務問題に見るチームワークとエンゲージメント
4.4.2 ワインバーグの表に見るコンテキストスイッチのムダ
4.4.3 共同作業の機会損失とアジリティの低下
4.5 階層型組織から脱却しよう
4.5.1 組織の「当たり前」を疑う
4.5.2 階層型組織の源流:テイラー主義という思想
4.5.3 現代に潜むテイラー主義の亡霊
4.5.4 階層がアジリティを蝕む3つの病
4.5.5 新たな組織OSへのアップデート
4.6 機能別組織から脱却しよう
4.6.1 なぜ今、組織の形を変える必要があるのか
4.6.2 機能別組織(サイロ型組織)の功罪
4.6.3 コミュニケーションの壁と部分最適の罠
4.6.4 意思決定の遅延とハンドオーバーの連鎖
4.6.5 コンウェイの法則と組織構造の弊害
4.7 機能横断型組織へ移行しよう
4.7.1 機能横断型組織とは何か
4.7.2 機能横断型組織への移行戦略
4.7.3 移行を阻む壁とそれを乗り越えるために
4.7.4 価値提供の流れを作るために
column 最初の壁:パイロットチームが作れないとき、どうするか
4.8 フロー効率を阻害するチーム外への依存をなくそう
4.8.1 WIP増加と停滞のメカニズム
4.8.2 多能工化でフローを取り戻す
4.9 パッションを持ったプロダクトオーナーに権限を委譲しよう
4.9.1 なぜ管理職をPOにしてはいけないのか
4.9.2 「パッション」を基準に選び、「権限」を委譲する
column 受託開発の光と影
4.10 アジャイルにおける管理職の役割の変化を知ろう
4.10.1 指示する人から、信頼で導くサーバントリーダーへ
4.10.2 チームを守り、障害物を取り除く交渉人へ
4.10.3 本質的な成果を定義し、ビジョンを示す戦略家へ
4.10.4 人の成長を支援し、キャリアを育むコーチへ
4.10.5 自ら学び、組織変革を推進するチェンジエージェントへ
4.11 スケールの幻想を超え、自己組織化しよう
4.11.1 スケールの罠と「デスケール」
4.11.2 逆コンウェイ戦略:デスケールを実現する道しるべ
4.11.3 理想の姿:「自己組織化された雁の群れ」
4.12 本章のまとめ
column なぜ組織は変われないのか?:ラーマンの法則
第5章 チームを支援する組織運営
5.1 成果を求めるなら、まず関係の質から始めよう
5.1.1 成功循環モデルとは
5.1.2 【バッドサイクルの実例】「成功」の仮面を被った失敗:Zynga
5.1.3 【グッドサイクルの実例】人と人とのつながりが生む成功 ― スターバックス
5.1.4 アジャイルは「チームスポーツ」
5.2 「やらないこと」を最大化しよう
5.2.1 価値の8割は、2割の機能から生まれる(パレートの法則)
5.2.2 無限に増える仕事との向き合い方(パーキンソンの法則)
5.2.3 スクラムにおける実践:「価値」と「時間」の制約
column アジャイルに効く認知バイアス集
5.3 スケジュールではなく、ゴールで計画しよう
5.3.1 「計画=スケジュール」という呪縛
5.3.2 アジャイルにおける「計画」:地図ではなく、コンパスを持つ
5.3.3 タスクの事前割り当てがチームワークを阻害する
5.4 成熟したチームを維持しよう
5.4.1 チームの成熟プロセス「タックマンモデル」
5.4.2 プロジェクト型開発とプロダクト型開発
5.4.3 視点の転換:「チームに仕事をアサインする」へ
column 顧客価値の流れに沿うチーム:Stream-Aligned Team
5.5 全体最適の優先順位を考えよう
5.5.1 「全体最適」の欠如がリソースの無駄を生む
5.5.2 経営層の責務:価値の低い仕事をさせないこと
5.6 予算は経験主義で決めよう
5.6.1 「プロジェクト」ではなく「プロダクト」に予算を付ける
5.6.2 経験主義のアプローチを適用する
5.7 本章のまとめ
column アジャイルの難しいところ
第6章 組織はチームをどう評価するか
6.1 ベロシティはチームのパフォーマンスを表さない
6.1.1 ベロシティとは何か
6.1.2 なぜベロシティをパフォーマンス指標にしてはいけないのか
6.2 KPIは少数を定点観測しよう
6.2.1 KPIは「指標」であって「目標」ではない
6.2.2 グッドハートの法則と、その罠に陥った企業事例
6.2.3 KPIの正しい使い方:定点観測による学習
6.3 アジャイルチームの予測可能性を知ろう
6.3.1 予測は「過去の実績」からのみ得られる
6.3.2 予測は「対話」と「調整」のためにある
6.4 「結果」をコントロールできるという幻想
6.4.1 「結果」はコントロールできない
6.4.2 フィードバックループによる脱却
6.4.3 アジャイル開発への応用
6.5 フローで測るチームと組織のパフォーマンス
6.5.1 サイクルタイムが映し出すチームの実力
6.5.2 リードタイムが示す価値創造能力と組織の問題
6.5.3 指標は「対話」の出発点
6.6 チームの現在地を知る自己評価
6.6.1 なぜ他人からの評価ではいけないのか
6.6.2 「わかったつもり」という成長の壁
6.6.3 ダニング・クルーガー効果からの脱却
6.6.4 メタ認知能力を鍛える2つのアプローチ
column メタ認知獲得のための自己評価法
6.7 階層的な評価制度から脱却しよう
6.7.1 伝統的な評価制度がもたらす弊害
6.7.2 事例1:Spotify ― 報酬の「構造」を自己決定する
6.7.3 事例2:Whole Foods Market ― アジャイルな文化と徹底した透明性
6.7.4 事例3:チームによる給与決定(TSS)
6.7.5 アジャイルな制度改革のススメ:小さく始めて育てる
6.7.6 評価制度は組織文化を映す鏡
6.8 本章のまとめ
第7章 変化を乗りこなし、価値を創造し続けるために
7.1 なぜ今、「チームを支える組織」が必要なのか?
7.2 「強いチーム」の本質:共同作業が織りなす学習サイクル
7.3 流れを制するものがアジリティを制す:フロー効率という革命
7.4 チームを解き放つ組織デザイン:構造が文化を創る
7.5 リーダーシップの変革:管理から支援へ
7.6 測るべきは価値であり、成長である:評価という対話
7.7 終わりなき旅へ:学習する組織への第一歩
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