たとえ記憶は取り戻せなくても、
この身に宿った命を、愛と信じたい。
5年前、アニーは事故に遭い、体と心に大きな傷を負った。
それ以来、他人を避け、孤独に生きてきたが、
ある日、“夢の恋人”とそっくりな男性とすれ違う。
毎晩彼女の夢に現れては抱きすくめる、逞しい体、長い手足……。
直感の赴くまま車を走らせると、見覚えのある屋敷に辿り着く。
中から出てきたのは――“夢の恋人”だった。
威圧的でありながら魅力を湛える彼に、目を奪われ、陶然となる。
だが、夢では美しい“恋人”の顔は、苦悶の形に歪んでいた。
深いブルーの瞳が冷たく光る。
「君は僕の妻だ。なぜ平然と戻ってきた」
再会した夫だと名乗る男性の瞳は、憎しみと情熱を秘めていました。失った記憶を辿るための共同生活。その最中に判明した、予期せぬ妊娠。宿った命が、閉ざされた過去の扉を叩き始め……? ロマンスの女王ペニー・ジョーダンの傑作記憶喪失ロマンス!