蔑み続けた新妻の純潔を、
大富豪はまだ知らない……。
テンプラーは亡き妹の娘ケリを引き取って懸命に育ててきたが、
事務員の仕事では生活費と養育費を充分にまかないきれず、
ケリの泣き声を理由に、住む部屋からの立ち退きも迫られていた。
思い悩んだ末、妹が遺した手紙をもとにケリの父親を見つけ、
アレックスという人物に〈話があるので会ってほしい〉と書き送った。
だが現れたのは、その兄のギリシア大富豪レオンで、弟は死んだと言う。
さらに、ケリを弟とテンプラーの娘だと思いこんだ彼は、
弟の遺児を育てるために、僕が君と結婚すると宣言した!
もし拒むなら、ケリだけ引き取ると脅しめいた言葉さえ口にして。
こんな敵意に満ちた冷酷な男性に、大切な姪を託せるわけがないわ。
実の母親でないことを隠し、テンプラーはやむなく結婚に応じるが……。
家政婦や子守りもいる贅沢な大邸宅での結婚生活が始まりますが、レオンはテンプラーを身持ちの悪い女と誤解していて、新妻には指一本触れません。それどころか、一緒に過ごしたり会話をしたりすることさえほぼない一方で、姪のケリだけはひどくかわいがり……。