美しい妹の身代わりとして、
私は愛されぬ花嫁になる――
「君は……偽者じゃないか」苛立つ伯爵チャールズに背を向けられ、
エロイーズは彼のもとに押しかけたことを後悔していた。
そう、伯爵が恋し求婚したのは美しい妹であって、姉の私ではないのだ。
その妹に駆け落ちされ、いま彼の自尊心は傷ついている。
伯爵の冷たさに怯みつつも、エロイーズは勇気を振り絞って告げた。
「私と結婚してください。あなたの評判を守るために」
ばかげた話だとチャールズに怖い顔で一蹴され、
思わず目に涙をためたエロイーズは、肩を落としていとまを乞うた。
すると、思案顔のチャールズが引き留め、彼女の真意を尋ねた。
「なぜこんな思いきったことを? 私に恋をしたなんて言わないでくれよ」
思わず応援したくなるヒロインを描いて人気のリージェンシー作家アニー・バロウズの名作をお贈りします。冷酷と評される伯爵と心優しき日陰の乙女の、笑いあり涙ありのシンデレラ・ロマンス!