私は幸せな花嫁だったかもしれない――もし
生まれ来るわが子を奪われる運命でなければ。
15年前の初恋――夢の続きを見るには時間が経ちすぎたわ。
ゾーイは教会の祭壇の前に立つアルキメデスを見て思った。
身寄りのない二人は養父の家で育ち、ゾーイは彼に強く憧れた。
でも彼は18歳で家を飛び出し、その後、会うこともなかった。
今になって、いくら養父に強いられたとはいえ、
ゾーイとの1年の契約結婚に応じるなんてありえない!
しかも、子供をもうけて養父に差し出せと言われているのに。
私は専門医の手を借りて人工的にすませるつもりで、
やむをえず同意したのだった。でも、こんなのはいや。
初恋の人とこんな結婚はしたくない――また恋におちてしまうのも。
花婿は長身で青い瞳の憧れの男性。本当なら嬉しいはずの結婚は、生まれた赤ん坊を闇のハッカー組織を率いる養父に差し出すという非情な条件付きで……? デビュー当初から編集長大絶賛、ジャッキー・アシェンデンが綴る、ベビーを巡るスリリングな物語です!