借金の代償に捧げた一夜が、
新しい命を宿した――。
大金をすってしまった妹のために、ジュリアが駆けつけると、
待ち受けていたのは、今やカジノの経営者となったロームだった。
冷たい美貌の彼は、鋭く告げた。借金の形にぼくと寝るんだ、と。
ロームは、ジュリアたちが裕福だったころの使用人の息子だ。
かつて、幼いジュリアがロームに苛められて泣き出したとき、
祖母は理不尽にも、取りすがるロームの母親ともども解雇した。
それに対する負い目は、今も陰としてジュリアの心に残る。
だから罪を一身に背負い、彼に純潔を差し出したのだ。
その一夜で、身ごもってしまうとは思いもせずに。
ミステリアスなヒーロー像が人気のヴァイオレット・ウィンズピアが描く、クラシカルな雰囲気漂う1982年刊行のヒット作、待望のリバイバル刊行! かつてと運命は逆転し、再会した二人。一夜の代償に芽生えた命が、二人の関係を大きく変えていきます。