私たちの生活と切っても切れない「時間」。学校や会社に遅刻しそうなときには,時間がもっとゆっくり流れればいいのに! と願ってしまいますが,いくら願っても時間は一定のペースで誰にも平等に流れていくように思えます。近代科学の創始者であるニュートンも,この宇宙のすべての場所で,時間は同じ速さで一様に流れていると考えていました。
ところが! 天才物理学者のアインシュタインは,その考えが必ずしも正しくないことを明らかにしました。つまり,時間は,立場や状況によって,速く流れたり,遅く流れたりするものだというのです。これは心理的な話ではありません。時間の流れが伸び縮みすることは,実際に観測によっても確かめられています。
この時間の伸び縮みを利用すれば,未来への時間旅行も原理的には可能です。たとえば,高速で移動する新幹線の中から見ると,止まっている周囲の時間の流れはごくごくわずかに遅くなります。そのため,新幹線から降りるときには,ほんの少しだけ未来へ移動しているといえるでしょう。
そもそも時間とは何なのでしょうか。時間はなぜ過去から未来へと一方向にしか流れないのでしょうか。そして時間にはじまりや終わりはあるのでしょうか。これらの謎は物理学の最前線で研究されている重要なテーマです。
この本は,「時間」についてのニュートン先生の講義です。物理学で時間の謎と不思議にせまります。どうぞお楽しみください!