- 発売日:2026/08/26
- 出版社:共立出版
- ISBN:9784320036406
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原子・共振器・光子による量子の探究
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商品説明
この本は、2012年ノーベル物理学賞受賞者であるセルジュ・アロシュ教授の著書であり、彼の研究を中心に、量子光学の基礎とその量子情報処理への応用について主に学部上級生・大学院生を対象に書かれたものである。
単一の粒子を含む思考実験は量子力学の創設期に考え出され、当時は実現することが不可能と考えられたが、世界中の多くの実験室において実現されるようになった。これにより、状態の重ね合わせやエンタングルメントなどを使った新しい量子情報処理の研究が発展し、新たな応用への期待が高まっている。
本書では、これらの実験のうち、量子物理のマイルストーンというべき3つの実験、すなわち、著者達による「高Q共振器中の原子と光子の実験」を中心に、イオントラップ、そしてボース・アインシュタイン凝縮体の実験を取り上げ、量子過程の解析や量子情報への応用が述べられている。また、これらの系を実際に扱うためには、環境との相互作用を扱う開放系に関する記述が必須となるが、そのための基礎的な記述がなされており、デコヒーレンスや古典物理との関係を理解することができる。
我が国の量子物理の本といえば、理論的な展開や計算に重点を置いたものが多く、本書のように量子的な実験を取り上げて解説したものは多くない。しかし、量子の論理で働く世界を具体的な例を通して学ぶことは非常に教育的である。本書は、最初の数章を使って、量子力学の概要や、中心的な課題を理解するための基礎事項が非常に手際よくまとめられており、これによって実験の詳細な解析が行われるため、量子の世界の深い理解を得ることができる。またこのような高度な実験を可能にした、種々の技術的発展の手短な記述が、実験に必要な技術とともに適切に述べられているため、理学系の学生だけでなく、量子情報処理に興味をもつ工学系の学生にとっても非常に有益である。また、量子情報処理に携わる研究者やこの分野に興味をもつ研究者・技術者にとっても、量子の世界の深い理解が得られ、自身の研究に役に立つ貴重な一書になると思われる。
[原著]Exploring the Quantum: Atoms, Cavities, and Photons, Oxford University Press, 2006
単一の粒子を含む思考実験は量子力学の創設期に考え出され、当時は実現することが不可能と考えられたが、世界中の多くの実験室において実現されるようになった。これにより、状態の重ね合わせやエンタングルメントなどを使った新しい量子情報処理の研究が発展し、新たな応用への期待が高まっている。
本書では、これらの実験のうち、量子物理のマイルストーンというべき3つの実験、すなわち、著者達による「高Q共振器中の原子と光子の実験」を中心に、イオントラップ、そしてボース・アインシュタイン凝縮体の実験を取り上げ、量子過程の解析や量子情報への応用が述べられている。また、これらの系を実際に扱うためには、環境との相互作用を扱う開放系に関する記述が必須となるが、そのための基礎的な記述がなされており、デコヒーレンスや古典物理との関係を理解することができる。
我が国の量子物理の本といえば、理論的な展開や計算に重点を置いたものが多く、本書のように量子的な実験を取り上げて解説したものは多くない。しかし、量子の論理で働く世界を具体的な例を通して学ぶことは非常に教育的である。本書は、最初の数章を使って、量子力学の概要や、中心的な課題を理解するための基礎事項が非常に手際よくまとめられており、これによって実験の詳細な解析が行われるため、量子の世界の深い理解を得ることができる。またこのような高度な実験を可能にした、種々の技術的発展の手短な記述が、実験に必要な技術とともに適切に述べられているため、理学系の学生だけでなく、量子情報処理に興味をもつ工学系の学生にとっても非常に有益である。また、量子情報処理に携わる研究者やこの分野に興味をもつ研究者・技術者にとっても、量子の世界の深い理解が得られ、自身の研究に役に立つ貴重な一書になると思われる。
[原著]Exploring the Quantum: Atoms, Cavities, and Photons, Oxford University Press, 2006
目次
【第1章 量子のベールを取る】
1.1 量子物理の世紀
1.2 ミクロな世界の出現
1.3 思考実験の実現
1.4 この本の目的と概要
【第2章 量子の奇妙さと能力】
2.1 重ね合わせの原理と波動関数
2.2 量子干渉と相補性
2.3 同種粒子
2.4 エンタングルメント(量子もつれ)と非局所性
2.5 量子と古典の境界
2.6 量子を情報処理に飼い慣らす
【第3章 スピンとスプリングについて】
3.1 場の振動子
3.2 場のモードの結合
3.3 スピン系
3.4 スピンとスプリングの結合:ジェインズ・カミングスモデル
【第4章 環境は見守っている】
4.1 開放系の量子的な記述
4.2 量子写像:クラウス和表現
4.3 リンドブラッド型マスター方程式
4.4 量子モンテカルロ軌跡
4.5 減衰するスピン-スプリング系:ラビからパーセルへ
4.6 スピンを使ってスプリングをキックする:マイクロメーザー
4.7 N個のスピンのスプリングとの集団的結合:超放射
【第5章 箱の中の光子】
5.1 共振器QED(CQED)の簡単な歴史
5.2 共振器中の巨大原子:理想的な共振器QED(CQED)の状況
5.3 共振器内の量子のベールを取る2つの実験
5.4 原子-光子のエンタングル装置
【第6章 巧妙な方法で光を見る】
6.1 量子-古典の境界における相補性
6.2 非破壊光子数測定
6.3 多粒子エンタングルメント操作のための量子ゲート
6.4 量子アナログ/デジタル変換器
6.5 光子数のパリティとウィグナー関数の測定
【第7章 シュレーディンガーの猫を飼い慣らす】
7.1 光子猫の表現
7.2 光学猫を発生させる思考実験
7.3 共振器QED(CQED)における分散的な猫
7.4 共振器QED(CQED)における共鳴的な猫
7.5 共振器猫のデコヒーレンス
7.6 非局所的な猫
【第8章 箱の中の原子】
8.1 イオントラップの物理
8.2 イオンの運動状態の操作
8.3 イオンの緩和と設計された環境
8.4 トラップされたイオンを用いた量子論理:個別のキュービットの取り扱い
8.5 トラップされたイオンを用いた量子論理:キュービットの集団的取り扱い
8.6 量子情報に向けたイオントラップの見通し
【第9章 物質波をエンタングルする】
9.1 物質波の第二量子化
9.2 ボース・アインシュタイン凝縮の主な特徴
9.3 ボース・アインシュタイン凝縮体の干渉における位相
9.4 コヒーレントな衝突と猫状態の発生
9.5 周期格子中の物質波
9.6 ボース・アインシュタイン凝縮体中のエンタングリング衝突
【第10章 結論】
【付録 位相空間における量子状態】
A.1 特性関数
A.2 ウィグナー分布
A.3 フシミQ関数
A.4 緩和の位相空間表示
参考文献
索引
1.1 量子物理の世紀
1.2 ミクロな世界の出現
1.3 思考実験の実現
1.4 この本の目的と概要
【第2章 量子の奇妙さと能力】
2.1 重ね合わせの原理と波動関数
2.2 量子干渉と相補性
2.3 同種粒子
2.4 エンタングルメント(量子もつれ)と非局所性
2.5 量子と古典の境界
2.6 量子を情報処理に飼い慣らす
【第3章 スピンとスプリングについて】
3.1 場の振動子
3.2 場のモードの結合
3.3 スピン系
3.4 スピンとスプリングの結合:ジェインズ・カミングスモデル
【第4章 環境は見守っている】
4.1 開放系の量子的な記述
4.2 量子写像:クラウス和表現
4.3 リンドブラッド型マスター方程式
4.4 量子モンテカルロ軌跡
4.5 減衰するスピン-スプリング系:ラビからパーセルへ
4.6 スピンを使ってスプリングをキックする:マイクロメーザー
4.7 N個のスピンのスプリングとの集団的結合:超放射
【第5章 箱の中の光子】
5.1 共振器QED(CQED)の簡単な歴史
5.2 共振器中の巨大原子:理想的な共振器QED(CQED)の状況
5.3 共振器内の量子のベールを取る2つの実験
5.4 原子-光子のエンタングル装置
【第6章 巧妙な方法で光を見る】
6.1 量子-古典の境界における相補性
6.2 非破壊光子数測定
6.3 多粒子エンタングルメント操作のための量子ゲート
6.4 量子アナログ/デジタル変換器
6.5 光子数のパリティとウィグナー関数の測定
【第7章 シュレーディンガーの猫を飼い慣らす】
7.1 光子猫の表現
7.2 光学猫を発生させる思考実験
7.3 共振器QED(CQED)における分散的な猫
7.4 共振器QED(CQED)における共鳴的な猫
7.5 共振器猫のデコヒーレンス
7.6 非局所的な猫
【第8章 箱の中の原子】
8.1 イオントラップの物理
8.2 イオンの運動状態の操作
8.3 イオンの緩和と設計された環境
8.4 トラップされたイオンを用いた量子論理:個別のキュービットの取り扱い
8.5 トラップされたイオンを用いた量子論理:キュービットの集団的取り扱い
8.6 量子情報に向けたイオントラップの見通し
【第9章 物質波をエンタングルする】
9.1 物質波の第二量子化
9.2 ボース・アインシュタイン凝縮の主な特徴
9.3 ボース・アインシュタイン凝縮体の干渉における位相
9.4 コヒーレントな衝突と猫状態の発生
9.5 周期格子中の物質波
9.6 ボース・アインシュタイン凝縮体中のエンタングリング衝突
【第10章 結論】
【付録 位相空間における量子状態】
A.1 特性関数
A.2 ウィグナー分布
A.3 フシミQ関数
A.4 緩和の位相空間表示
参考文献
索引
原子・共振器・光子による量子の探究
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