近年のICTの発展はめざましく,日常生活でよく利用するようになった音楽や映像,電子書籍,ソフトウェアなどに代表されるデジタル商品・サービスにとって,知的財産はますます重要な位置づけを示すようになった。このための技術やアイディアといった情報は企業が存続していくために重要な「知的財産」である。
また今現在,世の中には,ICTに関する優れた専門書は数多く発刊されている。さらに,法学の世界でも知的財産権に関する専門書もまた数多く出版されている。しかしながら,知的財産権と関連法令についてICT全般の観点から解説した専門書はさほど多くない。
そこで,本書はこのような背景を踏まえ,現代の急激に発展するICTを活用する社会,あるいは企業の中の利用者の立場で,知的財産権および関連する法令について主にICTとICTに関する機器・サービス並びにここで扱われる情報に着目して解説したものである。
対象読者はこの「未来へつなぐデジタルシリーズ」の主要な読者層であると考えられる理系の大学・大学院生はもちろんのこと,知的財産権を学ぶ大学・大学院生やより広く文系の学生や知的財産にかかわる企業のビジネスマンも想定している。