カスハラ」については、「セクハラ」「パワハラ」と並び、最近では社会問題化しており、国としても「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)」を改正し、令和8年10月1日よりカスハラ対策の義務化がスタートします。
本書は、その中でも行政機関(指定管理者団体などの民間委託を含む)特有のカスハラに焦点を当て、3つの構成(「解説」「Q&A」「ケーススタディ」)から法的対応を中心に解説しました。
行政職員にとっては、「行政サービス」と「カスハラ」の狭間でどのように対応するかという問題に直面しています。特に法的根拠の後ろ盾がわからないため、トラブルに発展することは何としても避けたいと日々の業務に当たっています。そのような職員たちの声に応えるために、法律のプロである弁護士が、法的根拠も交えながら、その対応方法を「Q&A」と「ケーススタディ」でわかりやすく解説しています。Q&Aでは、組織としての対応、実際の対応方法、毅然とした対応方法など、24の設問で解説しました。ケーススタディでは、カスハラの起こりやすい主要な部門を中心に、10題の設例を設けています。それぞれの設例では、カスハラとなる事例について、想定した場面ごとにそれぞれ「解説・留意点」と「対応例」を記載しています。一問一答ではなく、一問につき、想定場面ごとの解決策を伝えています。
最後に、本書では9つのコラムを掲載しました。「声の大きい人の主張が通ってはいけない」「諦める勇気」「秘密録音は違法か」「予算措置のないカスハラ対策は画餅に帰す」など、担当職員の機微に触れた記述となっています。