プロローグ 芸術の触知(不)可能性
第1章 自由な手
自己言及的な手──どこまでが「私」なの?
常軌を逸した手──「私」でなくなるほどに
心のパントマイム──完全な模倣の困難さゆえ
機械的な手──無意識を模造する
建設者の手──目の中のコンパスと掌のコンパス
第2章 美術史家の手
バクサンドール──時代の目、あるいは時代の身体
ヴェルフリン──線に触れる美術史家の手
ヘルダー──子供部屋から展示室へ
ベレンソン──触覚的な想像力に導かれる手
ヒルデブラント──表象された身振りへの同調
リーグル──表面を撫でる美術史家の手
第3章 絵に触れる
クールベに触れる──グリーンバーグを介して
自然に触れる──クールベを介して
視覚と触覚のパラゴーネ──美術作品における「盲目」の系譜
セザンヌの時間に身を浸す──モリスの《盲目の時間》を介して
第4章 嘘から懐疑へ
装う絵画──化粧術と視覚文化
読めない絵を楽しむには?──キュビスムの楽器の奏で方
過去の身振りへの共震──時をなぞる身体
手を握り返す──喪失に直面してもなお
第5章 ユートピアで遊ぶ
未来派における感覚のユートピア──「触覚主義」とイデオロギー
ピカソのユートピアと「貧しき者の玩具」──死を内蔵する遊戯場
聖なるものと戯れる──ホイジンガを介して
遊戯場から玩具箱へ──シャステルとアガンベンを介して
昔の玩具箱を開く──デ・キリコを介して
墓穴を開く──ジャコメッティを介して
第6章 彼女たちの顔に触れる
メアリー・カサット──「女らしさの継承」を超えて
マリー・ローランサン──鏡の部屋の女たち
クロード・カーアン──変幻自在のナルキッソス
仮面の真正性──この身体は誰のもの?
水差しを傾ける――シンプソンとフックスの手で
第7章 仕事中を演じる
労働者の仮面をかぶる芸術家、美術史家を演じる批評家
芸術と産業──芸術が純粋だった「クソやばい日々」
起源と戯れる──老成した子供のような大人の手で
エピローグ 美術史家の「遊び」の区切り/句切れ
あとがき
図版一覧