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大乗起信論成立問題の研究

大乗起信論成立問題の研究

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『大乗起信論』は、6世紀前半、南北朝時代末期の中国に漢文のかたちで現れた仏典である。南朝の摂論宗の祖である来中インド人・真諦(499-569)の漢訳に帰され、在印インド人・馬鳴の撰述と称される。南北朝時代統一後の隋の法経『衆経目録』(594)においては真諦訳が疑われ、百済の慧均『大乗四論玄義記』(7世紀初頭)においては北朝の地論宗による偽論であると伝えられたが、唐以降、成立問題はほとんど等閑に付されてきた。成立問題の議論が本格化するのは、近代日本において、望月信亨(1869-1948)が同論の内容に疑念をいだき、中国撰述説を提起してからである(1918年以降)。現代日本においては、インド撰述説と中国撰述説との折衷案として、インド人が中国において撰述したという来中インド人撰述説も提起されている。
 本書は、近年いちじるしく進展した、漢文大蔵経の電子化と、敦煌出土北朝仏教文献の翻刻出版との二大成果を活用しつつ、同論が漢文仏教文献からの一種のパッチワークであることを明らかにし、来中インド人撰述説を斥け、北朝人撰述説を確定する。
『大乗起信論成立問題の研究』(ISBN 978-4-336-06187-4)のオンデマンド版です。内容に変更はございません。
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