現代アフリカ文学の最前線を紹介する、海外文学シリーズ《アフリカ文学の愉楽》第3回配本。現代アフリカ文学随一のヒップスター、コンゴ共和国出身のアラン・マバンクによる出色のルノドー賞受賞作。
その国には分身遣いがいるという——
秘儀を受けた人間の「有害な分身」として夜の闇に生き、主人の命ずるまま影の務めを果たしてきた一匹のヤマアラシがいま、バオバブの老木を前に血塗られた半生を語りはじめる。
異常なまでに書物に執着する男、欧州から来た白人の民族学者たち、裸を見せつけて呪いをかける老婆、奇妙な力を秘めた禍々しい双生児、はたまた肛門にヤシの実を詰めて人々の目を欺く邪な分身遣い……。
あの世とこの世、人間界と動物界の閾を揺るがす不穏な逸話の数々。
ヤシ酒の香り漂うアフリカの呪術的伝承を背景に抉り出される、人間の業の深さ、愚かしさを見よ!!
作家としてはじめてコレージュ・ド・フランスの招聘教授に着任、また国際ブッカー賞の選考委員を務めるなど、現代アフリカ文学の最重要作家のひとりとして活躍の場を世界的なものへと広げている、アラン・マバンクが放つ驚異と諧謔の暗黒綺譚!!