死刑廃止への一系譜

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商品説明
19世紀フランスの文学者として、最も重要な死刑廃止論を表明したヴィクトール・ユゴー。フランスにおける死刑廃止法案の可決にいたるまで、その言説はいかに引き継がれたか。
社会主義者ジャン・ジョレスによる20世紀初頭への継承、そして司法相ロベール・バダンテールによる1981年の死刑廃止実現へ——
ユゴーの思想を鍵に、ユダヤ゠キリスト教とライシテの相剋する死刑廃止論の系譜を新たに考究する画期的論考。

「死は神にしか属さない。 いったいどんな権利があって、人間たちはこの未知のものに手を触れるのか」——ミリエル司教 『レ・ミゼラブル』より

【目次】
 序章
第1部 出発点としてのヴィクトール・ユゴー
第1章 ある系統樹
第2章 体感としての死刑
第3章 出発点としての『死刑囚最後の日』
第4章『死刑囚最後の日』序文――デリダを参照しつつ
第5章 社会主義者ユゴー?
第6章 王の処刑をめぐる問い――バランシュとユゴー
第7章 犯罪者たちとの接点
第8章 ある反教権主義の系譜――ダンテとヴォルテール
第9章 “開かれた”聖書についての思索
第2部 ジョレス、そしてバダンテール
第1章 一九〇八年の論争
第2章 ユゴーを語るジョレス
第3章 ジョレス―バレス相互のまなざし、そしてユゴー
第4章 自由な精神の思想
第5章 バダンテールと死刑廃止、そしてユゴー
第6章 脚本家バダンテール
第7章 ユダヤ人の物語
 おわりに
 あとがき
 参考文献
 人名索引
目次
 序章

  第1部 出発点としてのヴィクトール・ユゴー

 第1章 ある系統樹
1.死刑廃止の“ライックな”系統樹――モンテスキューからベッカリーア、そしてユゴーへ
2.刑罰の脱宗教化の主張
3.「社会主義者」ベッカリーア?
4.ヴォルテールの支援
5.「例外」の容認をめぐって――革命期における刑法議論

 第2章 体感としての死刑
1.少年ユゴーと死刑の出会い
2.青年ユゴーの体験
3.死刑執行人への嫌悪

 第3章 出発点としての『死刑囚最後の日』
1.『死刑囚最後の日』をめぐる時代状況
2.死刑囚の手記
3.断頭台の「それ以前」
4.国王と恩赦、公開処刑
5.『死刑囚最後の日』における宗教

 第4章『死刑囚最後の日』序文――デリダを参照しつつ
1.「懲罰」としての可感性
2.ユゴーの廃止論における「キリスト教的なもの」
3.二つの「神の法」
4.彼方の生をめぐる思索
5.自然法という法権利との関係
6.革命との関わり
7.革命の文明への寄与

 第5章 社会主義者ユゴー?
1.“社会主義”の射程のひとつである死刑廃止
2.『死刑囚最後の日』の二つのエピソード
3.『クロード・グー』(Claude Gueux)
4.「ミゼール」(misère)の告発

 第6章 王の処刑をめぐる問い――バランシュとユゴー
1.バランシュ『名前のない男』(L’Homme sans nom)
2.『レ・ミゼラブル』の元国民公会議員G
3.『ページの裏面』(Le Verso de la page)

 第7章 犯罪者たちとの接点
1.王、王政への攻撃
2.貴族院議員として
3.「王殺し」の犯罪者たち――コンシエルジュリ監獄訪問
4.ブレア将軍事件
5.二人の死刑囚マルキとジョゼフ・アンブロ
6.タップナー事件

 第8章 ある反教権主義の系譜――ダンテとヴォルテール
1.反教権主義者ダンテ
2.反教権主義とその帰結としてのライシテの主張

 第9章 “開かれた”聖書についての思索
1.「無限」へのアクセス手段としての芸術
2.ユダヤ゠キリスト教聖書の解体と再構築
3.旧約・新約聖書の人物たち
4.そして、イエス
5.二つの“聖書”の企画


  第2部 ジョレス、そしてバダンテール

 第1章 一九〇八年の論争
1.論争に先立って
2.七月の下院での議論
3.一一月一八日のジョレス演説
4.ジョレス以外でのユゴーへの言及
5.投票結果――一二月八日

 第2章 ユゴーを語るジョレス
1.宗教詩人ユゴー
2.ジョレスによるユゴー参照
3.世俗の神学者
4.ユゴー詩の紹介者
5.世紀末におけるユゴーの影響力
6.科学をめぐる相克
7.ユゴーと社会主義
8.唯一の書『懲罰詩集』

 第3章 ジョレス―バレス相互のまなざし、そしてユゴー
1.ジョレスのバレス言及
2.バレスにとってのユゴー
3.ジョレスへのまなざし

 第4章 自由な精神の思想
1.哲学に基づく社会主義
2.政教分離に関するジョレスのヴィジョン
3.ジョレスにとっての“キリスト教”

 第5章 バダンテールと死刑廃止、そしてユゴー
1.クレルヴォー事件
2.一九八一年九月一七日の演説
3.バダンテールとユゴー
4.バダンテール言説を特徴づけるもの

 第6章 脚本家バダンテール
1.『C.3.3』――「オスカー・ワイルドあるいは不正義」
2.オペラ台本『クロード』

 第7章 ユダヤ人の物語
1.祖母の物語 
2.『自由にして平等……ユダヤ人の解放 一七八九-一七九一』
3.『日常的反ユダヤ主義 ヴィシー政権とユダヤ人弁護士たち(一九四〇-一九四四)』

 おわりに
 あとがき
 参考文献
 人名索引
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