• 発売日:2025/11/12
  • 出版社:コロナ社
  • ISBN:9784339011678

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建築におけるスピーチプライバシー

建築におけるスピーチプライバシー

通常価格 3,630 円(税込)
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  • 発売日:2025/11/12
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商品説明
【読者対象】
・会話による情報漏洩や執務妨害に関わる研究者・技術者・初学者
・オフィス、医療施設、銀行等の建築設計実務に関わる技術者

【書籍の特徴】
スピーチプライバシーとは、オフィスや病院、銀行などで交わされる会話が思わぬ形で漏れてしまったり、周りの会話が気になって仕事に集中できなくなったりする問題を指す用語です。本書では、こうした問題をどう評価し、どう対策していくかを分かりやすく解説しています。
スピーチプライバシーの問題は会話が不明瞭になるほど改善されます。鍵になるのは不明瞭さを「音声が聞き取れる割合」として数値化した音声了解度と、それに影響する音響設計上の指標との関係です。この関係をさまざまな角度から紹介しているのが、本書の大きな特徴です。
会話を聞き取りにくくする建築的な方法については、ABCDルールという基本的な考え方をベースに、初めて学ぶ人にも理解しやすく説明しています。また、具体的な設計方法や実際の事例も取り上げているので、建築設計に携わる人にとっても実務で役立つ内容です。さらに、電気音響によるサウンドマスキングについても、基本から実践例まで紹介しており、システム開発や実装に関わる技術者にとって基礎知識が身につくようになっています。
読者それぞれの関心やバックグラウンドに合わせて、必要なところだけ拾い読みできるのも本書の特徴です。

【各章について】
1章 スピーチプライバシーの研究が始まった背景と国際規準の動向を解説します。
2章 評価方法の基礎となる不明瞭性と音声了解度の関係、及び音声了解度と物理指標の関係を解説します。
3章 会話音声の漏洩に関する「保護感」についてこれまでの研究を解説します。
4章 会話音声による執務の「妨害感」についてこれまでの研究を解説します。
5章 ABCDルールに基づく室内音響設計の基礎を解説します。
6章 具体的な室内音響設計例を解説します。
7章 電気音響的な対策方法であるサウンドマスキングの考え方とその実施例を解説します。

【著者からのメッセージ】
医療施設、オフィスなどの音環境において、個人情報の保護や執務における妨害感の低減を目的に、スピーチプライバシーの問題が多く指摘されています。本書を通じて得られた知識をもとに、室内音響理論や心理的な影響についての研究だけでなく、総合的な問題の解決にも活用していただければ幸いです。

【キーワード】
スピーチプライバシー、音声了解度、不明瞭性、保護感、妨害感、サウンドマスキング、ABCDルール
目次
1.スピーチプライバシーとは?
1.1 背景
1.2 漏洩と侵害
1.3 建築におけるスピーチプライバシー
1.4 海外の動向と社会的背景
引用・参考文献

2.不明瞭性の評価
2.1 不明瞭性に影響する要因
 2.1.1 発信系
 2.1.2 伝送系
 2.1.3 受信系
2.2 不明瞭性の段階
2.3 不明瞭性の測定
 2.3.1 了解度の分類
 2.3.2 カテゴリ尺度法による評価
 2.3.3 了解度とカテゴリ評価の対応
 2.3.4 測定時の注意点
2.4 了解度と物理指標の対応
 2.4.1 SN比
 2.4.2 明瞭度指数
 2.4.3 SPC
 2.4.4 U値
 2.4.5 STI
 2.4.6 SN比と他の物理指標の対応
2.5 暗騒音の音圧レベルの上限
2.6 スピーチプライバシーの評価の考え方
引用・参考文献

3.個人情報の保護感の評価
3.1 個人情報の保護感の定義
3.2 個人情報の保護感の評価法
3.3 個人情報の保護感に影響する要因
 3.3.1 対象空間の音響特性
 3.3.2 対象空間の種類
 3.3.3 対象空間の会話内容
引用・参考文献

4.会話の侵入による執務の妨害感の評価
4.1 妨害感
 4.1.1 日本のオフィスにおける妨害感
 4.1.2 北米のオフィスにおける妨害感
 4.1.3 欧州のオフィスにおける妨害感
4.2 妨害感と侵入する会話の明瞭性
 4.2.1 北米における研究例:妨害感の閾値による評価
 4.2.2 欧州における研究例:執務効率の低下と了解度の物理指標による評価
 4.2.3 日本における研究例:カテゴリ尺度による評価
引用・参考文献

5.室内音響設計の基礎
5.1 室内音響設計の立場から見たスピーチプライバシー
 5.1.1 スピーチプライバシーの設計におけるABCDルール
 5.1.2 設計の基本的な考え方
 5.1.3 マスキング音による効果の違い
 5.1.4 初期音および後期音とスピーチプライバシーの関係
 5.1.5 スピーチプライバシーと建築条件
5.2 建築条件IとIIにおける室内音場理論
 5.2.1 初期音エネルギーの割合
 5.2.2 直接音と反射音の距離減衰
 5.2.3 指向係数と平均吸音率の影響
 5.2.4 衝立の設置効果
5.3 建築条件IIIにおける室内音場理論
 5.3.1 2室間の音圧レベル差
 5.3.2 吸音とSN比の関係
5.4 建築条件ごとのスピーチプライバシー設計法
 5.4.1 建築条件Iの設計法
 5.4.2 建築条件IIの設計法
 5.4.3 建築条件IIIの設計法
引用・参考文献

6.室内音響設計の実例
6.1 スピーチプライバシーを考慮した室内音響設計の手順
 6.1.1 一般的な遮音・騒音制御との違い
 6.1.2 室内音響設計の手順
 6.1.3 1室でのABCDルールの効果の実測例
6.2 修正拡散音場理論を用いた予測
6.3 解析的方法に基づく室内音響設計法とその実例
 6.3.1 幾何音響理論に基づく方法
 6.3.2 波動音響理論に基づく方法
 6.3.3 実例1:サービスカウンターの衝立による音響効果の予測
 6.3.4 実例2:オープンプランオフィスへの応用例
6.4 国外の関連規格を用いた室内音響設計
 6.4.1 SPPに基づく室内音響設計
 6.4.2 ISO3382-3による評価に基づく室内音響設計
引用・参考文献

7.マスキングシステム
7.1 マスキングシステムとは
7.2 マスキングの原理
 7.2.1 エネルギーマスキング
 7.2.2 情報マスキング
 7.2.3 ABCDルールにおけるマスキングシステム
7.3 北米におけるマスキングシステム
 7.3.1 考え方と動向
 7.3.2 北米のマスキングシステムの設計指針
 7.3.3 北米のマスキングシステムの評価
7.4 日本におけるマスキングシステム
 7.4.1 基本的な考え方
 7.4.2 日本のマスキングシステムの研究例
 7.4.3 日本のマスキングシステムの評価
 7.4.4 日本のマスキングシステムの実施例(薬局・病院)
引用・参考文献

あとがき
索引
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