世界って、こんなにも広く美しくみずみずしい
“生きること”を思い出させてくれる、ちいさな主人公「ひとしずく」の旅。
はじめて世界と触れ合った瞬間をとじこめた宝石箱のような物語。
早春のある朝、深い深い森の中で、一粒の雪の結晶 「ひとしずく」は生まれました。
暗くて寒い冬が過ぎた森に、やわらかく射しこむ雪解けの光、芽吹き始めた草花、
生き生きと動き始めるたくさんの生き物たち……。
クマザサの葉陰に隠れたままの「ひとしずく」は、
こんなにもまぶしく輝いている世界があるとはまだ知りません。
それどころか、温かな日の光に照らされる自分が、
やがては溶けて雫となり世界から消えてしまうことがだんだん怖くなってきて。