• 発売日:2024/10/18
  • 出版社:春秋社
  • ISBN:9784393932360

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ミュージカルの解剖学

ミュージカルの解剖学

通常価格 2,860 円(税込)
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商品説明
「なぜいきなり歌うのか」――この問いに答えるべく、ミュージカルというジャンルを成り立たせ、「きらめき」をうみだす「型」のしくみを解き明かす画期的著作。筋やプロット、キャラクター、ミュージカル・ナンバー、歌詞やせりふなど、ミュージカルを形作るさまざまな構成要素を分解し、だれもみたことがない舞台裏をのぞく。ミュージカルについて本格的に学べる、観る人、作る人、演じる人・・・・・・舞台芸術にかかわる全人類が必読の一冊。
目次
プロローグ
 「ミュージカルはなぜいきなり歌うのか。」
 「リアリズム」の魔
 ミュージカルと観客の「型」
 「非日常」という「きらめき」
 本書の目的 

第1章 ミュージカルの筋とプロット
1 ミュージカルって何?
 「ミュージカル・ナンバー」
 物語の「筋」
 アリストテレスの「ミュトス」と「ロゴス」
 ミュージカルの「筋」
2 プロットとナンバー
 「大きなプロット」と「小さなプロット」
 ブック・ミュージカルの誕生
 「プロット」の連鎖
 プロットの意図的な放棄――ブックレス・ミュージカルとコンセプト・ミュージカル
3 ナンバーの「時間」
 ナンバーのなかの時間
 ナンバーのなかのプロット
 感情エネルギーとしてのダンスの「時間」
 プロットのなかの「ダンス」
 まとめ

第2章 キャラクター
1 キャラクターを手に入れる
 「役割」と「性格」
2 「古典的」なキャラクター
 「シンデレラ・ストーリー」のキャラクター
 「役割」と物語
3 「近代的」なキャラクター
 異形の悲しみ
 《オペラ座の怪人》(1986)
 シャッフルされた「役割」と「性格」
 「性格」のゆがみ
 複数形の視点
 正義なき時代の「ヒーロー」
 《ミス・サイゴン》(1989)
4 「オズの魔法使い」にみるキャラクターの変化
 (1)映画『オズの魔法使』(1939)
 (2)ミュージカル《ザ・ウィズ》(1974)と映画『ウィズ』(1978)
 (3)《ウィキッド》(2004)
 まとめ

第3章 ナンバーの機能
1 ナンバーの機能
 登場人物は歌っているのか
 4種類の機能
 機能の組み合わせ
 分類するための手順
 機能分類のメリット
2 ナンバーの機能(1)「ショー SHOW」
 舞台上のステージ
 登場人物の「職業」と「ショー」の機能
 ステージの外側で
 《シカゴ》と「ショーのショー」
 客役をひきうける観客たち
3 ナンバーの機能(2)「ユニティ UNITY」
 「ユニティ」という言葉
 世界観のあらわれ
 「テーマ」の提示
 主人公から見た世界像
 「共有」と「同意」
4 ナンバーの機能(3)「ダイアローグ DIALOGUE」
 「思想の説明・説得」
 ヒギンズ教授の孤独
 説得が「ショー」になる
 「ダイアローグ→ユニティ」(愛の告白)
 「ダイアローグ→ユニティ」(説得→共有)
 《ウェスト・サイド物語》の「説得・同意」
 《ジーザス・クライスト・スーパースター》の「ダイアローグ」
 同意にいたらないダイアローグ
 《レント》の場合――〈ライト・マイ・キャンドル〉
 「ナレーション」――わたしたちに向けた「ダイアローグ」
5 ナンバーの機能(4)「モノローグ MONOLOGUE」
 「思想」・「願望」の提示
 「感情」の表現
 プロットの結果によらない「モノローグ」
 自問自答の「モノローグ」
 「ダイアローグ」なのに「モノローグ」
 みえないふり、きこえないふり
 物言わぬ者への「ダイアローグ〔モノローグ〕」
 モノローグの「ユニティ」
 まとめ

第4章 「アダプテーション」と「リプライズ」
1 舞台と映画 アダプテーション
 《サウンド・オブ・ミュージック》のアダプテーション
 オープニング~〈サウンド・オブ・ミュージック〉
 〈私のお気に入り〉と〈自信をもって〉
 〈ド・レ・ミ〉の位置
 〈ひとりぼっちの羊飼い〉、〈私のお気に入り〉
 〈エーデルワイス〉
2 舞台と映画(2) 《ウェスト・サイド物語》の機能の変化
 (1)舞台版(1957)
 (2)映画版(ワイズ監督、1961)
 (3)映画版(スピルバーグ監督、2021)
3 リプライズの機能
 《王様と私》〈アイ・ウィスル・ア・ハッピー・チューン〉、〈ハロー・ヤング・ラヴァーズ〉
 《ウェスト・サイド物語》〈トゥナイト〉
 リプライズのプロット化《キャッツ》〈メモリー〉
 《ウィキッド》〈だれも悪人のことを嘆かない〉
 〈だれも悪人のことを嘆かない〉(リプライズ)
 まとめ

第5章 せりふと歌詞
1 言葉が意味するもの 「せりふ」と「歌詞」
 せりふ
 ト書き
 象徴的な位置
2 詩のリズムと音楽
 リズムの原則
 詩行としてのリズム
 (1)イアンブス格(○●)
 (2)トロカエウス格(●〇)
 (3)アナパエストス格(〇〇●)
 (4)ダクテュロス格(●〇〇)
3 リズムの混合
 《レ・ミゼラブル》の〈民衆の歌〉

第6章 音楽の役割
1 音楽の「テイスト」
 楽団の位置
 「AABA形式」とミュージカル・ナンバー
 「形式」のヴァリエーション――『トップ・ハット』〈イズント・ディス・ア・ラヴリィ・デイ?〉
2 「クラシック音楽」の語り口
 オーケストレーター
 ライトモティーフ
 《ウェスト・サイド物語》の「ライトモティーフ」
 民族音楽がしめす「物語の舞台」
3 キャラクターとしての「音楽」
 イエスもモーツァルトもロックを歌う
 アンチテーゼとしてのポップス
 ジュークボックス・ミュージカル
 ノスタルジーとしてのジュークボックス・ミュージカル

エピローグ 「きらめき」の構造
 きらめきの正体
 歌い、踊ること
 「ユニティ」による「肯定」
 「ユニティ」による疎外
 フィナーレ
 「わたしたちは自分の庭を育てよう」

あとがき
引用・参考文献
索引
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