イメージの可能性とは何か
デリダ、サイード、ジジェクが主戦場とし、世界の知を半世紀以上にわたり牽引する『クリティカル・インクワイアリー』編集長を長年務めた著者によるイメージ論の集大成的最新作。イコノロジーを再定義し、美術史や哲学史はもとより、クローン羊からストリーミング配信ドラマ、中東情勢からSNSを新たな相貌のうちに浮かび上がらせる。大胆かつ高密度な言葉は、読む者を魅了してやまない。
「以下につづく論考は、過去一〇年間におよそ体系的ではない仕方でさまざまな機会に書かれたもので、システム理論の基本姿勢や限界へのある種の執着を示すものだ。二部構成でまとめられているが、第一部はいくつかの図に、第二部はいくつかの地に、焦点をあてている。前半の八本のエッセイは、イメージの本性について、たとえば、美術史研究の専門性の境界を突破する仕方や、科学的対象としてのイメージの可能性を扱っている。さらには、言語的そして社会的また感情的な生活、リアリズムと真理主張、技術と生命形式、最後にはマルティン・ハイデガーがいうところの「世界像」すなわち「画像としての世界」というテーマを扱うわけだが、それぞれのテーマにおけるイメージの中心性を扱っている。後半の八編は、イメージが立ち現れる媒体、イメージが住まう場や空間、そして、現在にかかわる歴史の裡にイメージをきりとる時間性とスペクタクル性の枠組みに焦点をあてるだろう。」(本書より)
第一部 いくつかの図
第一章 淵に立つ芸術史――図像学、メディア、視覚文化
第二章 イメージ・サイエンスをめぐる四基本概念
画像的転回 イメージ/画像 メタ画像 生物画像(biopictures)
第三章 イメージ・サイエンス
横断的書字学 イメージの物理学 イメージの生物学 化石とクローン
第四章 イメージ×テクスト
第五章 リアリズムとデジタル・イメージ
第六章 移り住むイメージ――トーテミズム、フェティシズム、偶像崇拝
第七章 イメージの未来――ランシエールが辿らなかった道
第八章 世界像の群れ――グローバリゼーションと視覚文化
第二部 いくつかの地
第九章 メディア美学
第一〇章 視覚メディアなど存在しない
第一一章 製図板に立ち返って――建築、彫刻、デジタル・イメージ
第一二章 基盤をつくる場と占有された空間
地とすることと図とすること 出現の空間
先占 記念碑とマルチチュード 結び
第一三章 境界戦争――政治とメディアにおける翻訳と収束
第一四章 芸術×環境――極限の風景、ガザのプッサン
第一五章 歴史における不気味なもの――対テロ戦争の亡霊、生き写し、反復
第一六章 こんにちのスペクタクル――リト…