【本書の紹介】
相続手続においては,相続人や相続財産の調査からはじまり,遺産分割協議や各種手続の実行に至るまで,一般の方にとっては複雑で難解な内容が多く含まれています。しかも,相続手続を行う必要がある資産は,不動
産をはじめ,預貯金や株式・投資信託など多岐にわたります。また,アパートローンなどの債務がある場合には,債務の承継手続も必要になります。
従来,国家資格者である司法書士は,不動産の相続手続において中心的な役割を果たしてきましたが,相談者や依頼人は,不動産だけでなく預貯金や株式・投資信託,債務の承継などを含む相続手続全体を解決したいニーズをお持ちの方がほとんどです。つまり,これからの司法書士は,相続手続を全面的に支援するコンシェルジュのような役割を果たすことができる専門家である必要があると思います。
これから相続手続業務に携わろうとする司法書士等の法律専門職や金融機関・証券会社の専門担当者のための,体系的かつ実践的な“基礎知識”を得る書籍は少ないのが現状です。そこで,本書執筆に当たっては,相続手続の全体像を体系的に眺めつつも,より実務的で実践的な書籍となるように心がけるようにしました。特に,相続人の確定作業では,戸籍の読み方で悩む方が多いことから,ケースメソッド形式で解説をしています。さらに,各章の知識を横断的にイメージできるように,第2版では「序章」を追加しました。各章の学習に入る前に一読すれば,司法書士として総合的に各種の相続手続を解決していく流れがつかめるのではないかと思います。
【著者プロフィール】
八木良直
司法書士 行政書士 エイト総合事務所 代表司法書士 行政書士
静岡県立藤枝東高等学校卒業,学習院大学経済学部経営学科卒業
司法書士試験,行政書士試験,宅地建物取引士試験合格
司法書士の配属研修後に開業し,相続業務を中心とした実務をはじめ,講演・セミナーなどの業務を積極的に取り組んでいる。中でも,相続人が行方不明となっている場合などの複雑な相続案件を得意としている。
【目次】
序章 相続手続で司法書士に求められる総合力
第1章 相続人と戸籍の基礎知識
第2章 相続人ごとに特別な手続が必要なケース
第3章 相続財産の範囲と調査方法
第4章 相続財産の承継・放棄
第5章 相続財産別の各種相続手続