20世紀を代表する心理学者の一人であり、その生涯を通じて人間の心の深層に迫る研究を続けたカール・グスタフ・ユング。彼が築き上げた壮大な理論と思想は、心理学の枠を超え、哲学・文学・芸術・宗教の分野にも今なお多大な影響を与えている。
ユングは夢分析を患者の治療に活用したほか、集合的無意識や個性化、性格類型論など、さまざまな独自の考え方を提示した。その総体は「ユング心理学」として知られ、汲めども尽きぬ洞察と滋養がそこにはある。
本書は、そんなユングが書き残した膨大な言葉の海から珠玉のフレーズを掬い上げた名言集である。
ただ一つの正解がない現代を生きる私たちに、ユングの言葉は「自分とは何か」「生きるとは何か」という大きな問いに向き合うための指針を与えてくれる。誰もが直面する、自分の生き方そのものを変えなければいけなくなるその時、ユングの心理学が意味を持つ。