船舶の設計・建造は、多様な工学領域を統合する総合技術であり、最新の研究成果・国際規則・ 各国規制・船級協会規則を総合的に取込むことによって成立している。したがって、設計技術者には、個別分野の深い専門知識に加え、分野横断的な知識体系を統合し、設計へ適用する能力が不可欠である。しかし、船舶海洋工学の各専門領域はますます高度化・細分化し、個別分野の文献 は充実しているものの、設計全体を俯瞰的に整理した体系的図書は極めて限られていた。
本書は、船舶設計に関する基礎から実務までを体系的にまとめたものである。第1編では、環境規制や国際条約、船級協会規則、乗務員制度、採算計算、CADなどの最新動向を整理、第2編では、主要寸法や主機出力の決定方法を、計算例を交えて解説している。第3編では、最新の船級規則に基づく船体構造・強度・振動設計を扱い、第4編では、艤装設計や塗装基準を写真・図とともに説明し、設計者の応用力向上を目指す。
これから商船設計を勉強する学生や若手技術者だけでなく、特定の専門分野を修めた技術者の知識体系の整理と新たな視点の獲得にも活用できる比類なき本である。