真面目に笑って、真面目に泣ける“下町ヒューマン劇場”
寂れた商店街の老舗ラーメン店「ラーメンテイ」を舞台に、借金取りと店主家族が織りなす笑いと涙の人情物語
人情と皮肉が湯気のように立ちのぼる
舞台は北山町商店街。
シャッターの閉まった店が増え、かつての賑わいを失いつつある街の一角に、
カタカナ表記が印象的な中華料理店「ラーメンテイ」がある。
店主・木原兵衛、78歳。
亡き婿、病を抱える娘、働き始めた孫たち――
それぞれの事情を抱えながら、尊重し合い、かろうじて営業の灯をつなぎ続けてきた。
そんなある祝日の昼下がり、
店を訪れたのは、細身のスーツに身を包んだ見慣れぬ男。
名刺に記された肩書きは、
「ニッコニコファイナンス 融資課長兼 非常時顧客対応班長」。
穏やかとも冷酷ともつかぬその存在が、
ラーメンテイの、そして木原家の運命に波紋を広げていく。
借金、老い、病、家族、商店街の衰退といった重いテーマを扱いながらも、
ユーモアと人情、そして倉田流の語り口で、どこか懐かしく、
「感謝すること」「生きること」「続けること」の尊さを問いかける一冊です。