「荒地」の構造と実像
  • 発売日:2026/05/20
  • 出版社:パレード
  • ISBN:9784434378317

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「荒地」の構造と実像

「荒地」の構造と実像

通常価格 1,100 円(税込)
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    T・S・エリオットの「荒地」の主題は、「聖杯探求」や「漁夫王」を用いて、文明批評とされているが本当にそうだろうか。元のエピグラフから捉え直すと作者の絶望の叫びだと分かる。それは、人生を回想して「地獄!」と叫ぶ内容であるが「荒地」と相似になっている。詩の中で詩人は人生を回想している。それは自伝的描写が彼の年代順に並べられていることからわかる。

    詩の構造は、ジョイスの「ユリシーズ」と共通性がある。一日という時間経過、ロンドンの描写、性的描写、言語・語彙・文体の多様性である。また、出版当時作者の周囲にいた人々は、詩が彼の投影であると見ていた。そもそも「荒地」が「文明批評」だとしたのはエドマンド・ウィルソンの批評であるが、本音では「エリオットの絶望の叫び」だと思っていた。これは、詩人自身が「荒地」は「個人的愚痴」と発言したこととも一致する。第一部~第四部までは、絶望的気分に満ちているが、第五部では苦悩に立ち向かう内容になっている。それは、エリオットの病気が影響したもので本人も「最高のもの」で「全体を正当化する唯一のもの」と言っている。
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